普及版 字通 「蜀(漢字)」の読み・字形・画数・意味
蜀
13画
[字訓] けもの・あおむし
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[その他]
[字形] 象形
牡(おす)の獣の形。虫の部分が牡器。〔説文〕十三上に「中の(かひこ)なり。虫に從ひ、上目は蜀の頭形に象り、中は其の身の(けんけん)たる(うごめくさま)に象る」とし、〔詩、風、東山〕「たるは蜀」の句を引いて証とする。今本はに作る。すなわちの字義を以て解し、その初文とする。思うに牝獣を尾といい、牡獣を蜀という。その相接するを屬(属)とする。その牡器を縊(し)め(やく)して去勢することを(けん)といい、(う)って去勢するを(たく)といい、牝をえざるものを獨(独)という。これらの字形との関連によって考えると、蜀が牡獣の象形であることが確かめられる。
[訓義]
1. おすのけもの、ひとりのけもの、牝をえざるもの。
2. ひとり、ひとつ、孤立するもの。
3. あおむし、けむし。
4. 地名。国名。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕蜀 ヨル 〔字鏡集〕蜀 ヒル
[声系]
〔説文〕に蜀声として躅・・觸(触)・屬・・獨・濁など十五字を収める。觸は牡獣が角を以て争う意。(しよく)は〔説文〕八下に「气をんにして怒るなり」と訓する字。躅(躅・彳(てきちよく))のような擬声語を別として、蜀に従う字に牡獣と解すべきものが多い。
[熟語]
蜀▶・蜀菊▶・蜀錦▶・蜀犬▶・蜀魂▶・蜀桟▶・蜀黍▶・蜀牋▶・蜀鳥▶・蜀帝▶・蜀艇▶・蜀桐▶・蜀道▶・蜀魄▶・蜀本▶
[下接語]
巴蜀・望蜀・蜀
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報