普及版 字通 「罍(漢字)」の読み・字形・画数・意味
罍
21画
(異体字)櫑
19画
[字訓] さかだる
[説文解字]
[金文]
[字形] 形声
声符は(らい)。〔説文〕六上に正字を櫑とし「龜目の酒なり。木にして雲の象を作(な)す。施すこと窮まらざるに象るなり」といい、重文として罍を録する。〔伝〕に「は亦聲なり」とし、青銅器に雷文を付するので、器名とすると解する。いま存する罍に亀目の文様なく、また雷文は殷・周の器に地文としてきわめて一般的に用いられており、罍に限るものではない。罍は広肩細頸、蓋のある壺に似た酒器で、殷・周期にその精品が多い。〔詩、周南、巻耳〕に「我姑(しばら)く彼の金罍に(く)みて 維(こ)れを以て永く懷はざらん」とみえる。器は大型のものが多く、祭祀儀礼の際に用いた。
[訓義]
1. さかだる、大きな酒。
2. たらい。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕罍 サカヅキ・モタヒ 〔立〕罍 ホトギ・モタヒ
[語系]
罍・雷luiは同声。雷文を付するから罍と名づけたとされるが、器は壺に似て層を為し、角稜のあるものが多く、むしろ累・壘liuiの声義と通ずるものがある。
[熟語]
罍罌▶・罍▶・罍▶・罍酌▶・罍觴▶・罍洗▶・罍尊▶・罍恥▶
[下接語]
雲罍・瓦罍・犧罍・金罍・酌罍・洗罍・罍
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報