網走国定公園
あばしりこくていこうえん
北海道北東部にある国定公園。1958年(昭和33)指定。網走市とその周辺にわたる372.61平方キロメートルを区域とし、サロマ湖、能取湖(のとろこ)、網走湖、濤沸湖(とうふつこ)など七つの湖沼が含まれる。公園の特徴は、海岸砂丘と原生花園で、とくに網走市北浜から斜里(しゃり)川河口にかけての海岸草原は、植物群落の規模からも北海道を代表するもので、その一部、斜里町字鶴巣の草原群落は北地の代表的植物が多種類自生している。ほかにサロマ湖畔のアッケシソウ群落、網走湖畔の湿生植物群落(国の天然記念物)などがある。公園の東部では、藻琴山(もことやま)、斜里岳を背景に広大な草地に乳牛の放牧が行われて、牧歌的光景が展開する。網走市街周辺には、モヨロ貝塚や天都(てんと)山など訪れるべき場所が多く、冬の海岸に寄せる流氷やハクチョウの飛来など、特異な自然美も魅力を与えるものである。一般観光のほか、キャンプ、探鳥などに訪れる人が多い。なお、濤沸湖は2005年(平成17)に、ラムサール条約登録湿地となった。
[岡本次郎]
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網走国定公園
あばしりこくていこうえん
北海道北東部にある自然公園。面積 372.61km2。 1958年指定。網走市を中心に西のサロマ湖から東の斜里までの海岸,砂丘,湖沼,湿原,草原を含む。濤沸湖 (とうふつこ) 付近の原生花園はハマナス,ハマエンドウ,エゾキスゲ,エゾスカシユリなど約 50種の珍しい海浜植物の大群落があり,夏が最盛期。冬はシベリアからハクチョウが飛来し,春はトド,アザラシが回遊する。荒涼とした砂丘に接したサロマ湖や能取湖はカキ,ホタテガイ,ヒラメなどを産する。冬は結氷。網走市内の最寄貝塚は先住民の集落遺跡で,郷土博物館もある。桂ヶ岡のアイヌチャシ (城跡) や網走市を展望できる天都山には,特に観光客が多い。春さきにはオホーツク海の流氷もみられる。
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「網走国定公園」の意味・わかりやすい解説
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あばしり‐こくていこうえん ‥コクテイコウヱン【網走国定公園】
北海道東部、オホーツク海に面する国定公園。サロマ湖、能取
(のとろ)湖、網走湖、濤沸湖などの湖とそれをとりまく砂丘、湿原を特色とする。
冬期は結氷、流氷が見られる。昭和三三年(
一九五八)指定。
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「網走国定公園」の意味・読み・例文・類語
あばしり‐こくていこうえん〔‐コクテイコウヱン〕【網走国定公園】
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