細菌性(感染性)結膜炎(読み)さいきんせい(かんせんせい)けつまくえん(英語表記)Bacterial (infectious) conjunctivitis

六訂版 家庭医学大全科 「細菌性(感染性)結膜炎」の解説

細菌性(感染性)結膜炎
さいきんせい(かんせんせい)けつまくえん
Bacterial (infectious) conjunctivitis
(感染症)

どんな感染症か

 結膜炎を引き起こす細菌には、インフルエンザ菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、淋菌(りんきん)などがあります。

 通常よくみられる細菌性結膜炎は乳幼児や学童期に多く、原因菌にはインフルエンザ菌が最も多いようです。発症時期は冬期が多く、感冒(かんぼう)(かぜ)にかかった時に起こりやすいといわれています。

 肺炎球菌の場合は、インフルエンザ菌に比べて罹患年齢はやや高い傾向にあります。黄色ブドウ球菌による結膜炎は、高齢者の慢性細菌性結膜炎の代表的な病気です。淋菌性結膜炎は性行為感染症(STD)のひとつで、これについてはコラムを参照してください。

症状の現れ方

 病原菌により、症状に多少の差があります。

 インフルエンザ菌や肺炎球菌の場合は、結膜の充血と粘液膿性の眼脂(がんし)(めやに)が現れます。肺炎球菌の場合は、時に小点状の出血斑や軽度の結膜浮腫(むくみ)も現れます。

 黄色ブドウ球菌の場合は、成人では眼瞼結膜炎(がんけんけつまくえん)の形で慢性的にみられることが多く、角膜にも病変が存在することもあります。

検査と診断

 眼脂培養を行い、病原菌の検索薬剤感受性試験を行うことが基本ですが、症状からほぼ類推することができます。

治療の方法

 それぞれの病原菌に対する感受性の高い抗生物質や、抗菌薬点眼が処方されます。

病気に気づいたらどうする

 眼科専門医を受診してください。

下村 嘉一

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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