粟田(読み)アワタ

デジタル大辞泉 「粟田」の意味・読み・例文・類語

あわた〔あはた〕【粟田】

山城国愛宕おたぎ郡の地名。現在の京都市左京区から東山区わたる。平安京別荘地であった。

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精選版 日本国語大辞典 「粟田」の意味・読み・例文・類語

あわた あはた【粟田】

[1] 地名。山城国愛宕郡(おたぎのこおり)粟田郷(あわたのさと)。現在の京都市内、鴨川の東岸、東山のすそ、白川下流の地域。左京区の岡崎聖護院(しょうごいん)のあたりを上粟田、白川の南、東山区粟田口のあたりを下粟田といった。また、このあたり一帯を広く白河とも称し、平安京の別荘地であった。粟田口は東海道出入り口にあたる。
[2] 〘名〙
① 粟の畑。
※観智院本名義抄(1241)「粟田 アハタ」
※雑俳・蘆分道(1833)「もう御赦し・粟田の銚子ばかり呑」

あわた あはた【粟田】

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日本歴史地名大系 「粟田」の解説

粟田
あわた

粟田の地は、平安時代には貴紳の邸館が営まれること多く、藤原道長の兄、関白道兼はこの地の山荘に住み、世に粟田殿(大鏡)粟田関白(尊卑分脈)と称せられている。これらの邸で詠まれた歌も多い。近世の地誌「山州名跡志」に「粟田は総名なり、その方境東は白河を限り、西は鴨川を限り、北は二条東を限り、是を下粟田と云ふ。其北は北白河に至つて、上粟田と号す」と記す。

「古今集」巻二〇(墨滅歌)に「そめどの、あはた」を詠込んだ「あやもち」の歌がある。

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