筋隈(読み)すじぐま

精選版 日本国語大辞典 「筋隈」の意味・読み・例文・類語

すじ‐ぐま すぢ‥【筋隈】

〘名〙 (「筋隈取り」の略) 歌舞伎化粧の隈取りの一つで、初世市川団十郎が創始二世牡丹(ぼたん)の花からヒントを得てぼかす技法を思いついたといい、「暫」の主役、「矢の根」の五郎、「車引」の梅王など強さを示す役に用いる。
※歌舞伎・暫(1714)「柿の素袍の羽づくろひ、氷らぬ水の筋隈(スヂクマ)は、根元金剛家の株」

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デジタル大辞泉 「筋隈」の意味・読み・例文・類語

すじ‐ぐま〔すぢ‐〕【筋×隈】

歌舞伎隈取りの一。紅隈べにぐまに属する。初世市川団十郎が創始、2世団十郎が完成。「しばらく」の主役、「車引」の梅王などに用いる。

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世界大百科事典(旧版)内の筋隈の言及

【隈取】より

…これらのうち代表的なものを列挙すると以下のようなものがある。〈筋隈〉は《車引》の梅王,《暫(しばらく)》の鎌倉権五郎,《矢の根》の五郎など。〈一本隈〉は《千里ヶ竹》《獅子ヶ城》の和藤内,《暫》の腹出しなどが用いる。…

【ひたい(額)】より

…多くの欧米人は前頭筋を片側だけ動かして意識的表情の一つとしているが,日本人には少ない。前頭筋の収縮は眼を見開いて恐怖,驚愕,緊張,威圧などの感情を表し,歌舞伎の筋隈(すじぐま)はこの筋肉を図案化したものである。舞楽面にも抜頭(ばとう)の面のように前頭筋を思わせる2条の筋がある。…

※「筋隈」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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