竜門寺庄(読み)りゆうもんじのしよう

日本歴史地名大系 「竜門寺庄」の解説

竜門寺庄
りゆうもんじのしよう

「大乗院雑事記」長禄二年(一四五八)五月二二日条の興福寺別当雑掌重芸謹言上に「右大和国竜門寺庄者、為別当領代々寺務知行、于今無相違外、更被成下三度之長者宣、厳重規模領地也、以之随維摩会以下諸会式之役」とあり、竜門寺庄が興福寺別当領であり、同寺寺務が知行に当たったことがうかがえる。また、同寺寺務領でもあり、維摩会以下の諸法会の料所ともなっており、また、藤原氏長者宣に基づく荘園であったこともうかがえる。

竜門牧が荘園化し竜門寺領となったが、同寺が興福寺の末寺化するに及び同寺寺務領になったと考えられ、竜門寺の得分もあったものと推測される。「多聞院日記」永正三年(一五〇六)九月一〇日条に「昨日九日竜門郷へ沢蔵勢遣則放火了」とあり、この赤沢朝経の軍の放火によって竜門寺は廃退したという。また「大乗院雑事記」の康正三年(一四五七)正月二五日条には「康正二年寺務寺領(配脱カ)分」のうちに「竜門庄百五十貫文内五十貫豊田、十貫吉田、十貫慶有、七貫秀深、十貫尭懃」とある。一五〇貫は竜門庄年貢(代官請料)、豊田以下はそれぞれの得分と考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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