小説家、児童文学者。長崎県生まれ。東京帝国大学国文科卒業。東大在学中第10次『新思潮』に参加して小説を書き、卒業後は第一書房に入社、『セルパン』編集長を務めるかたわら、伊藤整(せい)らの『文芸レビュー』、中河与一主宰『新科学的文芸』に作品を発表し、1933年(昭和8)創作集『河童(かっぱ)の巣』を刊行。ヒューマンな人間観を基調に児童文学にも情熱を注ぎ、55年(昭和30)には日本児童文芸家協会を設立した。実践女子大学、日本大学、立教大学教授を歴任。研究の分野には『硯友社(けんゆうしゃ)の文学運動』(1933)、『写生文派の研究』(1972)などがある。
[神谷忠孝]
『『福田清人著作集』全三巻(1974・冬樹社)』▽『『硯友社の文学運動』改訂新版(1985・博文館新社)』
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…定価10銭の廉価で新風を呼んだ。当初は福田清人が編集にあたり,堀口大学,萩原朔太郎らの作品を多く掲載したが,のち35年に春山行夫が編集を担当してからは海外の作家を積極的に紹介した。エレンブルグ,A.ハクスリー,コクトー,マルロー,サルトル,カフカらを日本の読者に親しいものとした功績は大きい。…
※「福田清人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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