神保光太郎(読み)じんぼこうたろう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「神保光太郎」の意味・わかりやすい解説

神保光太郎
じんぼこうたろう
(1905―1990)

詩人。山形市に生まれる。京都帝国大学独文科卒業。在学中、大山定一(ていいち)らと知り、また更科源蔵(さらしなげんぞう)、真壁仁(じん)らの『至上律』に参加。その後も『詩と散文』『磁場』『麺麭(パン)』などの詩誌に加わり、1935年(昭和10)『日本浪曼(ろうまん)派』の同人となった。初期のリアリズム的立場から伝統詩を視野に入れたロマンチシズムに傾いていったのがこの時期である。翌年四季』に加わった。詩集に『鳥』(1939)以下8冊がある。「風のひびき/林の尽きた斜面旅人は迷つてゐる/風の残した白い道」(『青の童話』「道」)。ゲーテ以下ドイツ文学に関する翻訳、エッセイ集や児童詩集などもある。日本大学教授も務めた。

[角田敏郎]

『『神保光太郎全詩集』(1965・審美社)』『秋谷豊著「神保光太郎」(『現代詩鑑賞講座10』所収・1969・角川書店)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「神保光太郎」の解説

神保光太郎 じんぼ-こうたろう

1905-1990 昭和時代の詩人,ドイツ文学者。
明治38年11月29日生まれ。井上良雄らと新散文詩運動をすすめ,のち「日本浪曼派」「四季」同人。戦後,日大教授をつとめ,ドイツ文学の翻訳,詩論を手がけた。平成2年10月24日死去。84歳。山形県出身。京都帝大卒。詩集に「鳥」「青の童話」など。

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