更科源蔵(読み)さらしなげんぞう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「更科源蔵」の意味・わかりやすい解説

更科源蔵
さらしなげんぞう
(1904―1985)

詩人、郷土史家。北海道弟子屈(てしかが)町熊牛原野に生まれる。東京・麻布獣医学校中退。開拓辛苦アイヌ悲史に根ざす叙情が『種薯(たねいも)』(1930)以降10余冊の詩集に一貫する。地方史編纂(へんさん)や『更科源蔵アイヌ関係著作集』全10巻(1981~84)、『北海道の旅』(1979)ほか多数のエッセイ集、自分史としての『原野』(1980)、また長編連作の自伝小説父母の原野』(第1部・1983)などがある。

小笠原克

『『原野』(1980・法政大学出版局)』『『更科源蔵アイヌ関係著作集』全10巻(1981~84・みやま書房)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「更科源蔵」の解説

更科源蔵 さらしな-げんぞう

1904-1985 昭和時代の詩人,郷土史家。
明治37年2月15日生まれ。麻布(あざぶ)獣医畜産学校を中退し,郷里の北海道にもどる。昭和5年詩集「種薯(たねいも)」で開拓農民とアイヌの現実をうたう。アイヌ文化研究につとめ,自伝,随想を執筆した。41年北海学園大教授。昭和60年9月25日死去。81歳。著作に「コタン生物記」など。

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