直方体
ちょくほうたい
cuboid
六つの面すべてが長方形である多面体(六面体)。向かい合う面は平行であり,隣り合う面は互いに直角に交わる。すべての面が平行四辺形である六面体は平行六面体と呼ばれ,その向かい合う面は平行なので,直方体は平行六面体の特別な場合とみなせる。一つの面の重心と,向かい合った面の重心を結ぶ直線を軸とする回転角 180°の回転移動によって不変である。また,それぞれの面の長方形の対称軸と,向かい合う面の長方形の対称軸を含む三つの平面に関する対称移動で不変である。直方体の頂点の数は 8,辺の数は 12,面の数は 6である。一つの頂点には 3本の辺が集まる。これらの辺の長さを a,b,c とするとき,直方体の体積は abc,表面積は 2(ab+bc+ca)となる。また,直方体の対角線の長さは
となる。すべての面が正方形であるような直方体は立方体である。
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直方体
ちょくほうたい
二つずつ平行な三組の平面で囲まれた立体が平行六面体で、そのなかで隣り合った面がすべて垂直になっている場合を直方体という。直方体では各面が長方形で、三辺の長さがa、b、cの直方体の体積はabcである。また、同一の面上にない二つの頂点を結ぶ線分を、対角線という。対角線は四つあって長さはすべて等しく

である。
[栗田 稔]
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ちょくほう‐たい チョクハウ‥【直方体】
※エオンタ(1968)〈金井美恵子〉一四「不安なまでに空虚な直方体の空間が」
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デジタル大辞泉
「直方体」の意味・読み・例文・類語
ちょくほう‐たい〔チヨクハウ‐〕【直方体】
六つの長方形で囲まれ、隣り合う面がすべて垂直になっている立体。直六面体。長方体。
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ちょくほうたい【直方体 cuboid】
長方形の各点において,長方形の面に一定の長さの垂線をこの面の一方の側に立てたとき,これらの垂線によって描かれる立体を直方体と呼び,初めの長方形をその底面,垂線の長さをその高さという。直方体は6個の長方形で囲まれ,これらは二つずつ平行でかつ合同である。これらの長方形を直方体の面といい,各長方形の辺,頂点を直方体の辺(または稜),頂点という。2辺の長さがa,bである長方形を底面とし,高さがcである直方体の体積はabcで,その表面積は2(ab+bc+ca)である。
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世界大百科事典内の直方体の言及
【角柱】より
…底面がn角形である角柱をn角柱,底面と側面が直交する角柱を直角柱,底面が正n角形である直角柱を正n角柱という。底面が平行四辺形である四角柱は平行六面体と呼ばれ,底面が長方形である直角柱は直方体と呼ばれる。角柱の体積は,底面積×高さで得られる。…
【柱体】より
…底面が多角形である柱体を角柱,底面が円である柱体を円柱という。底面が平行四辺形である角柱を平行六面体,底面が長方形である直角柱を直方体という。底が曲線である柱は曲面となるが,これを柱面という。…
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