留(漢字)

普及版 字通 「留(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

(異体字)
12画

[字音] リュウ(リウ)・ル
[字訓] とどまる・とめる・のこる・ひさしい

[説文解字]
[金文]
[その他]

[字形] 会意
正字はに作り、(りゆう)+田。流した水の形。田地に用いるために、その水を溜(た)めて停蓄することをいう。それより留滞の意となる。〔説文〕十三下に「止まるなり」と訓し、声とするが声が合わない。金文字形は、田の旁に水があり、その両旁に池沼のある形。用の溜池の形で、溜(りゆう)の初文。留止の意より、留待・留意などの意に用いる。

[訓義]
1. とどまる、とどこおる、ためる、とめる。
2. のこる、かわらぬ、うつらぬ。
3. ひさしい、いつまでも、ながく。
4. まつ、おそい、おもむろ。

[古辞書の訓]
名義抄〕留 トドム・トドマル・ヒサシ・ウカガフ・ヤム

[声系]
〔説文〕に留声として、瘤・・溜・霤・など、十字を収める。瘤はこぶ、水流のせまいところにしかける「やな」、みな溜り水を意味する留の形状より字義をえている。

[語系]
留・溜・霤・瘤・liuは同声。留の声義を承ける。(流)・liuも同声。曲折しながら進むものをいう。漏・婁lo、縷lioは細くうちつづくもの。これらも同系の語であろう。

[熟語]
留意・留飲・留雲・留影留礙留歓・留客・留級・留居留寓留憩・留・留決・留後・留止・留思・留取・留守・留宿・留春・留照・留心・留神・留精留阻・留存・留滞・留待・留題・留駐・留留牘留屯・留難留年留賓・留別留保・留務・留名留目・留与・留落留犂・留恋・留連留聯
[下接語]
慰留遺留・延留・淹留・歓留・寄留・羈留・久留・去留・居留・凝留・稽留・留・勾留・句留・行留・拘留・在留・残留・止留・酔留・滞留・遅留・駐留・停留・留・弥留・保留・抑留

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報