生薑・生姜(読み)しょうが

精選版 日本国語大辞典 「生薑・生姜」の意味・読み・例文・類語

しょう‐が シャウ‥【生薑・生姜】

〘名〙
ショウガ科の多年草。熱帯アジア原産で、日本へは古く渡来した。食用薬用などに広く栽培される。地中屈指を連ねたような根茎が発達し、黄白色を帯び辛味芳香がある。茎は直立して高さ六〇~一〇〇センチメートルになる。葉は茎を抱く長い葉鞘(ようしょう)披針形の葉身からなり二列に互生する。花は高さ二〇センチメートルぐらいになる花茎の先端部に集まって着く。花冠は橙黄色で先が三裂するが、日本ではあまり咲かない。根茎は香辛料漬け物などに用い、健胃剤などにもする。漢名、薑。はじかみ。くれのはじかみ。つちはじかみ。あなはじかみ。《季・秋》
※菅家後集(903頃)読家書「紙裹生薑薬種、竹籠昆布斎儲
※人情本・春色梅児誉美(1832‐33)初「生姜(シャウガ)もその盆のうへにあるだらふ」 〔後漢書‐方術伝下・左慈〕
② けちなこと、また、その人をあざけっていう語。けちんぼ。生薑切。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)二「店の衆が生姜(シャウガ)だ、生姜だと申ますが」
※守銭奴の肚(1887)〈嵯峨之屋御室〉八「十銭札一枚でも虎の子の様に大事がる吝爺(シャウガ)が」
※虎明本狂言・芥川(室町末‐近世初)「そなたの手ははじかみじゃと云。〈略〉しゃうがでおじゃる何でもない事」
[語誌](1)①の古名は、クレノハジカミ新井白石は「東雅‐一三」の中でハジカミは「其味辛辣の物」を称する古語であったと「和名抄」に見える香辛植物の名を列挙しながら指摘している。室町時代にはシャウガとハジカミが併用されていた。
(2)①には根生姜と葉生姜があるが、江戸後期には「紫姜(はじかみ) 気味生姜に同し 膾のあしらに并けんなと 又うめ酢にしたし鮓の具にもちう」〔新撰庖丁梯‐はの部〕とあるように、葉生姜のことを特にハジカミと呼ぶようになっていた。

しょう‐きょう シャウキャウ【生薑・生姜】

〘名〙 ショウガの根茎。漢方では乾燥して健胃剤、発汗剤に用いる。〔運歩色葉(1548)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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