ショウガ科(読み)ショウガか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ショウガ科」の意味・わかりやすい解説

ショウガ科
ショウガか
Zingiberaceae

単子葉植物ショウガ目の1科。東南アジアの熱帯,亜熱帯地域を中心に 45属 700余種がある。いずれも多年草で,地下に太く横走する根茎をもち,全草に精油成分を含み芳香がある。茎は直立して短く,葉柄が鞘状に抱合って偽茎をつくるものも多い。葉は平行脈が目立ち,有柄で2列に向き合ってつく。花は花茎の先端に総状や頭状の花序 (→総状花序 , 頭状花序 ) をつくって集る。花被片6枚のうち内側3枚は花弁状で大きく,色彩も美しいものが多い。3本のおしべのうち2本は側唇弁状になり1本だけが (やく) をつける。果実蒴果で3室に分れる。ショウガ属 ZingiberウコンCurcumaなどは香辛料植物として,いわゆるジンジャーの類 (シュクシャ属 Hedychiumなど) は観賞用の園芸植物として栽培される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ショウガ科」の意味・わかりやすい解説

ショウガ科
しょうがか
[学] Zingiberaceae

単子葉植物。すべて多年草で、根茎まれに塊茎がある。葉は普通2列に互生し、葉身、葉舌(ようぜつ)、葉鞘(ようしょう)からなる。葉身には羽状の平行脈があり、葉鞘は互いに重なって茎を包み偽茎をつくる。花序は属によって異なり、ハナミョウガ属は茎に頂生し、プラギオスタキス属は側生し、ショウガ属は茎の基部の根茎につき、エレッタリオプシス属は長く伸びた根茎にまばらにつく。花は両性で左右相称、萼(がく)は筒状で3裂し、花冠も3裂するが向軸側の裂片が大きい。雄しべ内輪向軸側の1本だけが完全、内輪のほかの2本は弁状で癒合して唇弁となる。外輪では2本が仮雄蕊(かゆうずい)として残るが、ほかの1本は消失する。子房は下位。蒴果(さくか)または液果をつくり、種子には胚乳(はいにゅう)が多い。アジアの熱帯を中心に47属約1500種あり、日本には2属5種が分布する。この科には有用植物が多く、ショウガ属のショウガの根茎は香辛料、ミョウガの若芽や花序は食用、ウコン属のウコンは薬用および黄色の染料(カレー粉の原料)、ハナミョウガ属のアルピニアゲットウ)やクマタケランは観賞用に栽培される。

[清水建美 2019年6月18日]

 APG分類でもショウガ科とされる。

[編集部 2019年6月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のショウガ科の言及

【ショウガ(生姜)】より

…ショウガ科の多年草(イラスト)。香辛料として世界的に知られている。…

※「ショウガ科」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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