精選版 日本国語大辞典 「玉垂の」の意味・読み・例文・類語
たまだれ‐の【玉垂の】
枕 (古く「たまたれの」とも)
① 玉を緒(お)で貫いて垂らし、飾りとしたものの意から、「緒(を)」と同音を含む語にかかる。
(イ) 地名「越(をち)」にかかる。
(ハ) 「小瓶(をがめ)」にかかる。転じて、「小瓶(こがめ)」にもかかる。
※風俗歌(9C前‐11C中か)玉垂れ「太万多礼乃(タマタレノ) 小瓶(をがめ)を中に据ゑて 主(あるじ)はも や 魚(さかな)求(ま)きに 魚取りに こゆるぎの 磯の若藻(わかめ) 刈り上げに」
② (①(ロ)から転じて) 地名「こす」にかかる。
③ 玉で作ったすだれの意で、「御簾(みす)」にかかる。
④ (③から転じて) 「御簾(みす)」と同音の「見ず」にかかる。
※後撰(951‐953頃)恋一・五六六「君により我が身ぞつらき玉だれの見ずは恋しと思はましやは〈よみ人しらず〉」
⑤ すだれがすけて見えるところから「好ける」にかかる。
※拾遺(1005‐07頃か)恋一・六六四「たまだれの好ける心と見てしよりつらしてふ事かけぬ日はなし〈よみ人しらず〉」
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