玉ノ浦(読み)たまのうら

日本歴史地名大系 「玉ノ浦」の解説

玉ノ浦
たまのうら

粉白このしろから浦神うらかみにかけての入江をさすと考えられ、「万葉集」巻七に

<資料は省略されています>

の歌があり、また巻九の「紀伊国作歌二首」のうちに「我が恋ふる妹は逢はさず玉の浦に衣片敷きひとりかも寝む」とある。「五代集歌枕」「八雲御抄」に紀伊国の名所としてあげられ、沖に浮ぶという離れ小島とともに歌に詠まれる。「玉勝間」は玉ノ浦の所在を「那智山の下なる、粉白浦といふところより、十町ばかり西南に有り」とし、離れ小島については「玉の浦の南の海中に、ちりちりに岩あれば、それをいへるなるべし、其外には島なし」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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