玉石(読み)ぎょくせき(英語表記)cobble stone

精選版 日本国語大辞典 「玉石」の意味・読み・例文・類語

ぎょく‐せき【玉石】

〘名〙
① 玉と石。
※続日本紀‐天平一五年(743)九月己酉「斐太始以大坂沙玉石之人也」
② 玉のようにすぐれたものと、石のようにつまらないもの。尊いものと卑しいもの。良いものと悪いもの。→玉石混淆
※本朝文粋(1060頃)三・陳徳行〈紀斉名〉「玉石自異。聖哲将凡庸流」 〔楚辞九章・懐沙〕
③ 玉(ぎょく)宝石。〔日葡辞書(1603‐04)〕

たま‐いし【玉石】

〘名〙
① 川や海に産する丸い石。
※鶯(1938)〈伊藤永之介〉「去年の夏山女魚(やまべ)を釣りに行って苔の生えた玉石に足を滑らした弾みに」
② 炭層中に産する珪化した塊状石炭
③ サザエ科の小螺貝。酢貝のこと。外面が丸く突出している。幼児玩具に用いられることもある。

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デジタル大辞泉 「玉石」の意味・読み・例文・類語

たま‐いし【玉石】

河川などにある丸い石。直径20~30センチのものを建築の基礎や垣・庭などに使用
[類語]石ころ石くれ小石れき石礫せきれき礫石れきせき石塊せっかい転石てんせき砂利じゃり砕石ごろた石つぶて割り栗石さざれ石火打ち石

ぎょく‐せき【玉石】

玉と石。
価値のあるものとないもの。良いものと悪いもの。「玉石混淆
宝石。〈日葡

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普及版 字通 「玉石」の読み・字形・画数・意味

【玉石】ぎよくせき

玉と石。美と悪。賢と愚。〔書、胤征〕火、崑岡に炎(も)ゆれば、玉石に焚(や)く。天は、猛火よりも烈(はげ)し。

字通「玉」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「玉石」の意味・わかりやすい解説

玉石
たまいし
cobble stone

一般に堅緻石塊で,圭角を失いほぼ球形をなすもの。片手で取扱いうる大きさのものは大礫ということもある。海中工事の基礎としての捨石に使ったり,蛇籠 (じゃかご) に入れたり,舗石に用いたりするほか近年は砕石の原料とする。筑豊炭田では,炭層中に存在するほぼ楕円形の石炭塊を玉石または胴乱と俗称することもある。表面が平滑で黒色に輝き,ねぎ状の構造をもち,はがれやすい。

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百科事典マイペディア 「玉石」の意味・わかりやすい解説

玉石【たまいし】

15〜30cm程度の丸石をいう。緻密(ちみつ)な石塊で骨材(こつざい)用,また束石(つかいし)など木造建築の基礎に使用される。

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世界大百科事典(旧版)内の玉石の言及

【砂利】より

…岩石が風化,流水,転落などの自然作用によって砕かれ,角ばりがとれた状態になったもの,またはその集合体のこと。ふつう粒の大きさが5~60mm程度のものをいうが,それ以上で約300mm以下の大型のものを玉石(たまいし)cobbleと呼び,これも砂利に含めることがある。これらに対して岩石を人工的に破砕・整粒した人工の砂利,すなわち砕石(さいせき)があるが,ふつう砂利といえば天然のもののみを指す。…

※「玉石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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