ちりちり

精選版 日本国語大辞典 「ちりちり」の意味・読み・例文・類語

ちり‐ちり

[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
千鳥雲雀など、小鳥の鳴き声を表わす語。また、そういう小さいものが動くさまも表わす。
※名語記(1275)三「小児もしは、小鳥などのあそびありくをちりちりとすといへり、如何」
三味線の高い音をつづけてひく音を表わす語。
※滑稽本・古今百馬鹿(1814)下「子曰ちんぷんかんぷんよりは、ちょいときなさいチリチリチリッの方が面白くてね」
③ 液状・粒状のものが落ち散るさまを表わす語。
御伽草子・小町草紙(室町末)「色につき香にふけることは、いにしへよりはまさりつつと、思へどもかへらぬは老の波の、ちりちり袖やしぼるらん」
④ 縮んでしわのよるさま、毛などの縮れているさまを表わす語。
※両足院本山谷抄(1500頃)一五「茱萸の花はちりちりとした物ぞ」
⑤ 恐怖・不安などですくむさま、また、小きざみにふるえるさまを表わす語。
※説経節・説経さんせう太夫(佐渡七太夫正本)(1656)中「づし王丸は御らんじて、おどろき、ちりちりとおちらるる」
⑥ 朝日・夕日の照るさま、また、物に日の光が映じてきらめくさまを表わす語。
※筆のまよひ(15C後か)「春はよく晴れたる日、空に糸のやうにちりちりとみだれ見ゆる事あり。それを遊糸とは申す也」
⑦ すばやく動くさまを表わす語。
※両足院本山谷抄(1500頃)一「孔子の子に伯魚と云者あり。庭をちりちりと趨る時に詩を斈だかと問るるを」
⑧ 毛などの焼ける音やその様子を表わす語。
小雨粉雪などの降るさまを表わす語。
※京大本湯山聯句鈔(1504)「なへは、田にさしはさみてうゆるときは、ちりちりと小雨が必ふるぞ」
[2] 〘形動〙
① (一)④に同じ。
贅沢貧乏(1960)〈森茉莉〉「真黒でちりちりの頭と太くて紅い腕とが魔利の目の下ににゅっと突き出て来る」
② (一)⑤に同じ。
③ (一)⑥に同じ。
④ (一)⑧に同じ。
※蘭を焼く(1969)〈瀬戸内晴美〉「濃紫の墨で縁どったような花のへりだけが、ちりちりに焦げていた」

ちり‐ちり

〘名〙 麦こがしのこと。ちりのこ。
※銀の匙(1913‐15)〈中勘助〉前「千代紙のお三方にちりちりを盛ったりして」

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デジタル大辞泉 「ちりちり」の意味・読み・例文・類語

ちり‐ちり

[副](スル)
ちぢれたりしわが寄ったりするさま。「ちりちりした頭髪
毛や糸などが焼けちぢれる音を表す語。「ちりちり(と)毛糸が焼ける」
冷気などが、肌を軽く刺すように感じられるさま。
「流れ込んで来る微風が、寝起の肌に、―と気持よく滲みた」〈里見弴・安城家の兄弟〉
恐れてすくむさま。
頭ごなしに呶鳴りつけられて、―するような事があっても」〈秋声あらくれ
千鳥など、小鳥の鳴く声。
浜千鳥の友呼ぶ声は、―や―」〈虎寛狂・千鳥
水・涙などがしたたるさま。
「―袖やしぼるらん」〈伽・小町草紙〉
日の光のきらめくさま。
「東風吹けば、緑が―として」〈中華若木詩抄・下〉
[名・形動]ちぢれたり、しわが寄ったりすること。また、そのさま。「ちりちりな(の)髪の毛」「乾燥してちりちりになったき紙」
アクセントリチリ、はチリチリ
[類語]1もじゃもじゃ縮れ縮れ髪縮れ毛カーリーヘア/(5かあかあがちゃがちゃかりかりきゃっきゃっくつくつぼうしけいけいけろけろけんけんこんこんこんこけこっこうかなかなごろにゃんじいじいじいちちよちちよちちろちゅうちゅうちゅうちんちろりんつくつくぼうしつづりさせてっぺんかけたか東天紅トッケイにしはつにゃあにゃあにゃんにゃんぴいちくぱあちくぴいぴいひとくひよひよぴよぴよぶっぽうそうほうほけきょほぞんかけたかぽっぽほろほろほろほろろめえめえもうもうりんりんわんわんわん

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