洗(漢字)

普及版 字通 「洗(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 9画

[字音] セン
[字訓] あらう

[説文解字]

[字形] 形声
声符は先(せん)。先は足のさき。それをあらうを洗という。〔説文〕十一上に「足を洒(あら)ふなり」とあり、卜文では、先の字の上に水滴を加えている形がある。盤中の水で趾(あし)(止)を洗うことを(せん)といい、爪切ることを+刀)といい、「(あら)ふ」「(そろ)ふ」の(前)はその意。古い時代には旅から帰ると、まず足を洗い清め、他の地で附著した邪気を祓う儀礼があった。杜甫の〔彭衙(ほうが)行〕に、「湯を煖めて我が足を(あら)ひ 紙を剪(き)りて我が魂を招く」とあって、魂振りの古俗を伝えている。

[訓義]
1. あらう、足の指先を洗う、あらいおとす。
2. きよめる、あざやか、いさぎよい。
3. こぼし、たらい

[古辞書の訓]
名義抄〕洗 アラフ・スマス・ヲサム・キヨシ・ウスシ

[語系]
洗・洒synは同声。〔説文〕十一上に「洒は滌(あら)ふなり」とあり、滌は修、みそぎをすることである。

[熟語]
洗胃洗熨・洗・洗洗刮・洗肝洗眼洗潔・洗悟・洗甲洗刷・洗耳・洗児洗爵・洗城・洗浄・洗心洗塵・洗石・洗雪・洗然洗足・洗汰・洗貸・洗濯・洗脱・洗剔洗滌洗腆洗盪・洗抜・洗兵洗沐・洗目・洗浴・洗練・洗洗錬
[下接語]
一洗・澣洗・盥洗姑洗・刷洗・浄洗水洗・設洗・雪洗・洗・澡洗・濯洗・滌洗・杯洗・筆洗・兵洗・磨洗・沐洗・沃洗

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報