沖の石(読み)おきのいし

精選版 日本国語大辞典 「沖の石」の意味・読み・例文・類語

おき【沖】 の 石(いし)

(百人一首の二条院讚岐の歌「我が袖は汐干に見えぬ沖の石の人こそ知らねかわく間もなし」から)
① 人に知られない、隠れたの意のたとえにいう。
※雑俳・蝶番(1731)「一通の沖の石ありかかが袖」
② 水などで、濡れていることのたとえ。
※俳諧・毛吹草(1638)五「五月雨は作り庭もや沖(オキ)の石〈昌意〉」
女陰をいう隠語
※俳諧・昼礫(1695)「倦し女は皆御存じの沖の石」

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日本歴史地名大系 「沖の石」の解説

沖の石
おきのいし

田烏たがらす地域の半島先端黒崎くろさき西小川にしおがわの半島先端小長崎こながさきを結ぶ線のほぼ中心に位置し、田烏浦より直線で約七キロの海中に所在する巨巌。昔は岩が海に潜っていて船がいつも難破したので、それを聞いたさぬきの姫が歌を詠むと、岩が海面に姿を現し、難破しなくなったという伝説がある。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「沖の石」の解説

沖の石
(通称)
おきのいし

歌舞伎浄瑠璃外題
元の外題
けいせい沖の石
初演
宝永2.春(大坂・片岡座)

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