武蔵野話(読み)むさしやわ

日本歴史地名大系 「武蔵野話」の解説

武蔵野話
むさしやわ

二編六冊 斎藤鶴磯著 初編鈴木順(南嶺)続編松本交山画

成立 初編文化一二年 続編文政一〇年

写本 国立公文書館内閣文庫・東京都公文書館

版本 初編国立国会図書館・内閣文庫・東京国立博物館・都立中央図書館加賀文庫・同館東京誌料ほか、続編国立国会図書館・東京大学史料編纂所ほか

解説 宝暦二年生れの江戸の人斎藤鶴磯が、寛政八、九年頃から二〇年ほど所沢に寓居する間に近隣寺社旧家を訪ね、古器旧記の類を調査してまとめた地誌。鶴磯は初編刊行後いったん江戸に戻るが、再び放浪の旅に出て川越辺りに移り、中藤村に寄寓した後江戸に戻って文政一一年に死去する。続編は鶴磯自身ではなく門人たちの校訂によって世に出された。

活字本 大正一五年「縮刷武蔵野話」

武蔵野話
むさしのばなし

二編六冊 斎藤鶴磯著

写本 国立公文書館内閣文庫(図欠、一冊)ほか

版本 国会図書館(文化一二年版、付録共三冊)ほか

解説 著者は所沢に二〇年間住んだ文人。初編は文化一一年成立、同一二年刊。二編は文政九年成立、同一〇年刊。地域は多摩郡を含むが、埼玉県域では初編は入間新座・比企ほか、二編では秩父児玉・男衾など。村別に沿革社寺名所旧跡・考古遺物・産物詩歌などを記し、挿絵も入れる。とくに板碑古文書など正確な図を採録しようとしているが、広く地域を網羅しようとはしていない。

活字本 大正一五年刊(復刻昭和二五年・同四五年)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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