新座(読み)シンザ

デジタル大辞泉 「新座」の意味・読み・例文・類語

しん‐ざ【新座】

田楽猿楽などで、本座に対して新しく結成した座。
新参2」に同じ。
「―の者をも抱へさせられたらば」〈虎明狂・人馬〉

にいざ〔にひざ〕【新座】

埼玉県南部の市。江戸時代野火止のびどめ用水の完成後に開発平林寺がある。近年東京のベッドタウン化が進む。人口15.9万(2010)。

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精選版 日本国語大辞典 「新座」の意味・読み・例文・類語

しん‐ざ【新座】

〘名〙
中世、田楽、猿楽などの芸能人団体で、本座に対して新しく結成した座。田楽の本座である一忠に対する花夜叉、猿楽の本座である矢田に対する榎並(えなみ)などをいう。
※新札往来(1367)上「新座・本座之田楽、并和州・江州猿楽」
※西源院本太平記(14C後)二一「是は塩冶殿の御内に新座の者にて候が」

にいざ にひザ【新座】

[一] 埼玉県の南東部の地名柳瀬川・黒目川の流域にある。江戸時代、野火止用水が開削され、大和田川越街道宿駅として栄えた。第二次大戦後は東京の住宅衛星都市として発展。昭和四五年(一九七〇市制
[二] 武蔵国(東京都・埼玉県)中央部の旧郡名。明治二四年(一八九一)一部が東京府北豊島郡に編入され、残りは同二九年に埼玉県北足立郡に合併
[補注](二)に関して、古くは「にいくら」と訓んだ。

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改訂新版 世界大百科事典 「新座」の意味・わかりやすい解説

新座[市] (にいざ)

埼玉県南部の市。1970年市制。人口15万8777(2010)。武蔵野台地の北東部にあたる野火止(のびどめ)台地上に位置し,付近一帯は《和名抄》にいう新座(にいくら)郡の地で,市名もこれに由来する。川越藩主松平信綱が1655年(明暦1)玉川上水から野火止用水を分水してから野火止新田の開発も進んだ。市域北部の大和田は,江戸時代は柳瀬川の渡河点にあたり,川越街道の宿駅として伝馬の継立てを行った。中央を貫通する国道254号線(旧川越街道),北端を走る東武東上線の志木駅,南端を走る西武池袋線の清瀬駅を通じて,東京の都心部との交通が便利であるため,1960年代以降,日本住宅公団の新座団地をはじめとして住宅地化が急速に進み,全国有数の人口急増都市となっている。73年には,国鉄(現JR)武蔵野線の新座駅と貨物ターミナルも開設された。90年の国勢調査では都内への通勤者は県内への通勤者の3倍をこえ,典型的な首都近郊の住宅都市といえる。都市化の進展につれて,農地と平地林は激減したが,近郊性を生かした野菜づくりが盛んで,観光ブドウ園もある。信綱ゆかりの平林寺の境内にはアカマツ,コナラの平地林が残され,国の特別天然記念物に指定されている。
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