日本大百科全書(ニッポニカ) 「植草甚一」の意味・わかりやすい解説
植草甚一
うえくさじんいち
(1908―1979)
評論家、エッセイスト。東京・日本橋生まれ。早稲田(わせだ)大学建築科中退。初め外国映画、とくにヒッチコックのスリラー映画などに独自の批評を展開。さらに欧米の現代文学、推理小説、現代美術、漫画、ジャズなどの現代音楽の紹介・批評へと多くの趣味を生かして広範囲に活躍。1960年代以降は自らニューヨーク生活を繰り返して、つねに現代に密着した自由な雑学精神で一生を貫き、前衛的若者芸術の教祖的存在でもあった。著書に『僕は散歩と雑学が好き』(1970)、『雨降りだからミステリーでも勉強しよう』(1972)、『映画だけしか頭になかった』(1973)など多数。
[志賀信夫]