松野(町)(読み)まつの

日本大百科全書(ニッポニカ) 「松野(町)」の意味・わかりやすい解説

松野(町)
まつの

愛媛県南部、北宇和郡の町。四万十(しまんと)川(渡(わたり)川)の支流広見(ひろみ)川と目黒川の流域で、東部は高知県と接する。1955年(昭和30)松丸(まつまる)町と吉野生(よしのぶ)村が合併して成立。JR予土(よど)線、国道381号が通じる。近世、中心地区の松丸は宇和島藩の、吉野生は支藩の吉田藩の在町で、土佐との交易で栄えた。交通の発達で商業は衰退したが、在町景観は残っている。現在、米作が中心で、モモ、ユズなどとの複合経営が行われている。また、スギ・ヒノキ材の生産、茶、シイタケ栽培などが行われる。南部の目黒川上流の滑床渓谷(なめとこけいこく)は足摺(あしずり)宇和海国立公園の一部。中世城郭の遺構である河後森城跡(かごもりじょうあと)は国指定史跡。面積98.45平方キロメートル、人口3674(2020)。

[横山昭市]

『『松野町誌』(1974・松野町)』『『松野町誌 改訂版』(2005・松野町)』


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