日歩(読み)ひぶ

精選版 日本国語大辞典 「日歩」の意味・読み・例文・類語

ひ‐ぶ【日歩】

〘名〙
利息計算期間の単位一日と定めたときの利率元金百円に対する一日の利息で表わす。日歩五厘とか、日歩一銭三厘のようにいう。
※歌舞伎・月梅薫朧夜(花井お梅)(1888)二幕「併し烏や日歩(ヒブ)を借りる、茶屋と違って」
買方が物件引取を延期してもらうために、一日いくらとして売方に支払う金銭。〔取引所用語字彙(1917)〕

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デジタル大辞泉 「日歩」の意味・読み・例文・類語

ひ‐ぶ【日歩】

利息計算期間の単位を1日として定めた利率。元金100円につき、1日何銭何厘何毛と表示される。
[類語]金利利子利息単利複利年利月利

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「日歩」の意味・わかりやすい解説

日歩
ひぶ

金利の決め方の一つで、元金100円につき1日何銭何厘何歩で表されるものを日歩建(ひぶだて)という。これに対するものが元金につき年何%で表される年利建である。日歩の年利換算には次の計算式が用いられる。

  日歩×365÷100
 日歩建は、短期金利の計算に便利なことから、日本において古くから使われてきたものであるが、公定歩合貸出金利は1969年(昭和44)9月以降、預金金利は1970年4月以降、日歩建から年利建に移行し、現在ではあまり用いられていない。

[井上 裕]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日歩」の意味・わかりやすい解説

日歩
ひぶ
daily interest

利率の表わし方として,元金 100円につき1日あたりの利子が何銭何厘何毛と定める割合。年利 annual interestは1年間単位で,元金 100に対して利子が何%かを表わす。日本では一般に,長期の金利は年利,短期の場合は日歩が採用されていたが,諸外国がほとんど年利建てであるため,経済国際化に件い,1969年9月1日より従来の日歩表示を原則的に廃止し,ほとんど年利建てに移行した。

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百科事典マイペディア 「日歩」の意味・わかりやすい解説

日歩【ひぶ】

利率の一種で,元金100円につき1日何銭何厘何毛として表す。ただし1969年9月以降,公定歩合,貸出金利は日歩建てから年利建て(%)に改められ,預金金利も1970年4月以降すべて同様に改定。利息計算は(元金×日数×年利率)÷365の算式による。

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世界大百科事典(旧版)内の日歩の言及

【金利】より

…また金利の元金への繰込みが満期時に1回だけなされるとする金利計算法を単利法,金利の元金への繰込みが単位期間ごとに(満期/単位期間)回なされるとする金利計算法を複利法と呼ぶ。単位期間としては日,月,年等が考えられ,単位期間当りの金利をそれぞれ日歩,月利,年利という。いま元金をP,満期時までの期間をn,単位期間当りの利子率をrとすれば,満期時における元利合計Sは,単利法によればSP(1+rn),複利法によればSP(1+r)nと計算される。…

※「日歩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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