日本大百科全書(ニッポニカ) 「新座(市)」の意味・わかりやすい解説
新座(市)
にいざ
埼玉県南部、東京都に接する市。1955年(昭和30)大和田(おおわだ)町と片山村が合併して新座町となり、1970年市制施行。新座の名称は、明治中期まで新座郡(にいくらぐん)とよばれていたことに由来する。北部をJR武蔵野(むさしの)線が通るほか、北端に東武鉄道東上線、南端に西武鉄道池袋線が通じ、国道254号(旧、川越(かわごえ)街道)が中央部を横断、北西端で浦和所沢バイパスを分岐している。武蔵野台地上に位置し、野火止(のびどめ)は、江戸前期川越城主松平信綱(のぶつな)によって開拓された所であり、野火止用水も開削され、用水は県指定の史跡となっている。また、大和田は川越街道の宿場町として発展した。ニンジン、ゴボウなどを中心とした畑作が盛んであるが、東京近郊に位置するため、都市化が著しい。平林寺(へいりんじ)は松平(大河内)氏の菩提(ぼだい)寺で、輝綱(てるつな)のとき岩槻(いわつき)より移したもの。境内の林(国の天然記念物)に武蔵野のおもかげを残している。跡見学園女子大学、十文字学園女子大学、立教大学新座キャンパスがある。面積22.78平方キロメートル、人口16万6017(2020)。
[中山正民]
『『新座市史』全5巻(1984~1987・新座市)』