精選版 日本国語大辞典 「持成」の意味・読み・例文・類語
もて‐な・す【持成】
〘他サ五(四)〙
① 意図的に、ある態度をとってみせる。わが身を処する。
※蜻蛉(974頃)下「いふかひなくて、なかごろなきさまにもてなすも、わびぬればなめりかし」
② 見せかけの態度をとる。みせかける。
③ 何とか処置をする。対応してとりさばく。
※枕(10C終)四九「あるにしたがひ、さだめず、なに事ももてなしたるをこそよきにすめれ」
④ 相手を取り扱う。待遇する。あしらう。
⑤ 大切に扱う。大事にする。
※枕(10C終)三七「梨の花、よにすさまじきものにして、ちかうもてなさず」
⑥ 手厚く歓待する。饗応する。ご馳走する。
⑦ 取りあげて問題にする。あれこれと取り沙汰する。もてはやす。
もて‐なし【持成】
〘名〙
※源氏(1001‐14頃)若紫「の給ふ御もてなし、こわづかひさへ、目もあやなるに」
② 人に対する態度。人に対するふるまい方。人に対する遇し方。待遇。
※源氏(1001‐14頃)桐壺「人のそしりをも、えはばからせ給はず、世のためしにもなりぬべき御もてなし也」
③ 人に対して、自分の望む結果が得られるようにしむけること。しむけ。とりはからい。処置。
※宇津保(970‐999頃)国譲下「例ならずかかるは、内の御方の御もてなしにやあらむ」
④ 物の使いぶり。取り扱い方。
⑤ 饗応。ごちそう。
もち‐な・す【持成】
〘他サ四〙
① うまく扱う。取り持つ。とりなす。
※評判記・色道大鏡(1678)一四「座(ざ)をもちなせば、挙屋(あけや)・遣手等のよろこぶ事感する事限なし」
② ふるまう。処置する。
※長恨歌琵琶行和解(1540頃)「此人は我身を悪く持成てはさてと思て清浄厳飾に身をたしなむ也」
もち‐なし【持成】
〘名〙 身を持ちなす仕方。身のよそおい。ふるまい。
※俳諧・歌仙そろへ(1666)「もちなしの盆報気成大黒に 俵の底もあきかぜぞふく〈宗因〉」
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