押上(読み)おしあがり

精選版 日本国語大辞典 「押上」の意味・読み・例文・類語

おし‐あがり【押上】

〘名〙
山上に網を張って獣を追いあげ、捕獲すること。
源平盛衰記(14C前)三六秋冬笛待・落しくくり・押上(ヲシあが)り・犬山など申して、昼夜に山に侍りしかば」
② むりに、または勢いよく部屋などにあがりこむこと。
人情本・明烏後正夢発端(1823)上「昼見世でもひやかしの、夫(それ)から引(ひけ)しでへに直(すぐ)におしあがりときめるはな」

おし‐あ・げる【押上】

〘他ガ下一〙 おしあ・ぐ 〘他ガ下二〙
① 押して上へあげる。押すようにしてあげる。
落窪(10C後)一「格子(かうし)を〈略〉おしあげて入りぬるに」
② ひきたてて身分を高くしてやる。上位にする。
※枕(10C終)一六一「おなじわかきなれど、おしあげたる人は、えまじらで、うらやましげに見あげたるも」

おし‐あが・る【押上】

〘自ラ五(四)〙 (「おし」は接頭語) 勢いよく上がりこむ。
※人情本・明烏後正夢発端(1823)上「あんまり早くおしあがるのは猶気がきかねへ」
花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉中「勢込んで二階へ押し上(アガ)りしに」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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