抄(漢字)

普及版 字通 「抄(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

[字音] ショウ(セウ)
[字訓] すくう・かすめる・うつす

[字形] 形声
声符は少(しょう)。少は小さな貝や玉を連ねる意。鈔の別体の字とされるが、鈔は叉取の意。末端をさぐり、すくって取るようなとりかたをいう。抄撮は一つまみ、抄写はぬきがきである。室町期の附訓本を抄物(しょうもの)という。

[訓義]
1. すくいとる、すくう、かすめる、かすめとる。
2. うつす、かきうつす、ぬきがきする、ぬきがき。
3. 紙をすく。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕抄 不弥太(ふみだ)、、豆加牟(つかむ) 〔名義抄〕抄 トル・ヌク・ヌキヅ・カスム・ナブル・スヱ 〔字鏡集〕抄 ミダル・カクス・ナツク・ナブル・ナル・ヤスシ・ヤハラグ・ナヤマス・ナズム・ワヅラハス・ヌキツ・ヌク・ホキ・トル・スヱ

[語系]
抄(鈔)tshe、少sjiは声義近く、少に対して抄は動詞的な語である。

[熟語]
抄案・抄家抄撃抄劫・抄撮・抄紙・抄写抄取・抄集抄襲・抄出・抄書抄窃・抄抄奪・抄抄盗抄謄抄読・抄白抄暴抄没抄本・抄名抄掠抄略抄虜抄録
[下接語]
雑抄・詩抄・手抄・日抄・文抄・別抄・類抄

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報