技術・家庭科(読み)ぎじゅつかていか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「技術・家庭科」の意味・わかりやすい解説

技術・家庭科
ぎじゅつかていか

中学校教科名。1951年(昭和26)職業家庭科として設置され、58年学習指導要領の改訂で、産業界の技術革新背景技術・家庭科と改められ、内容も再編された。以後、たびたび再編され、98年(平成10)の改訂による内容は、技術分野として「A・技術とものづくり」「B・情報とコンピュータ」、家庭分野として「A・生活の自立衣食住」「B・家族と家庭生活」から構成されている。各分野の二つの内容のそれぞれに6項目があり、そのうち1から4項目までは基礎的・基本的内容で男女ともすべての生徒共通で履修させる。5、6項目はさらに発展的な内容で生徒の興味や関心などに応じて選択履修させるようになっている。教科目としては技術・家庭科であるが、教育内容は広い意味の家庭科教育に含まれる。

[伊藤冨美]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「技術・家庭科」の意味・わかりやすい解説

技術・家庭科
ぎじゅつ・かていか

中学校の教科の一つ。1949年に従前の職業科と家庭科を統合して職業・家庭科が設けられ,実生活に役立つ仕事中心に学習し,その知識,技能を養うことを目的とした。その後,科学技術振興に伴って 1958年に技術・家庭科に改められ,1962年度から実施された。2008年に中央教育審議会答申で教科別の改善事項が示され,技術・家庭科では自立的に生きる基礎を培うことを特に重視することが示された。

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世界大百科事典(旧版)内の技術・家庭科の言及

【家庭科教育】より

…戦後は,新憲法,教育基本法の下で,〈日常生活に必要な衣・食・住・産業等について,基礎的な理解と技能を養うこと〉(学校教育法18条3項)という教育の目標規定の一つに対応した教科として出発した。現在では,小学校5・6年に週2時間の〈家庭科〉があり,中学校では〈技術・家庭科〉の11領域のうち5領域が該当し,高等学校では,普通教育科目として〈家庭一般〉〈生活技術〉〈生活一般〉のいずれかを必修とする〈家庭科〉のほかに,職業専門科目として〈保育〉〈被服〉〈食物〉などからなる職業専門教育が行われている。 家庭科は,戦後の教育課程の中でももっとも不安定な教科である。…

【技術教育】より

…日本では,企業への帰属意識を強化するねらいをこめて企業内教育・訓練を重視する傾向が強い。
[技術・家庭科]
 日本の普通教育としての技術教育は,明治以来小学校では手工科で,中学校では1936年以来作業科で行われてきた。今日では,小学校の図画工作科,中学校の技術・家庭科で行われている。…

【工作教育】より

…1941年の国民学校令では,国防強化,軍事産業重視の立場から近代技術につながる内容を強化し,〈工作〉と改称,芸能科の一科目とされた。第2次大戦後の小学校では,図画(美術)教育と統合して図画工作科のなかで扱われ,中学校では,職業科,職業・家庭科を経て,58年,技術・家庭科が設けられ,そのなかで一般教育としての技術教育が行われるようになった。小学校の工作が,これと一貫性をもたないとの見方から,図画から分離した独立の教科にすべきであるとの主張も強い。…

※「技術・家庭科」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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