精選版 日本国語大辞典 「打放」の意味・読み・例文・類語
うち‐はな・つ【打放】
〘他タ四〙
① 打ち、たたいて、ある物から離す。
(イ) 付いているものを離す。持ったり、握ったりしているものを離す。
※古事記(712)上「即ち其の氷目矢(ひめや)を打離(うちはなち)て拷(う)ち殺しき」
(ロ) 捕えたり飼ったりしていた動物などを自由にしてやる。解き放す。
(ハ) 声、光などを発する。
※今昔(1120頃か)五「師子(しし)、雷(いかづち)の鳴合たる様なる音(こゑ)を打ち放て」
③ 大砲や矢などを発射する。ぶっぱなす。
うち‐はな・す【打放】
〘他サ五(四)〙
① 力を込めて切り殺す。切り捨てる。強く切る。
② 大砲や矢などを発射する。ぶっぱなす。
※浄瑠璃・国性爺合戦(1715)三「所々に石火矢をしかけ置きすはといはば、打放さん其いきほひ」
ぶっ‐ぱな・す【打放】
〘他サ五(四)〙 (「ぶちはなす(打放)」の変化した語)
① 刀で切りつける。切り殺す。うちはなす。
② 強く放出する。また、発射する。
ぶち‐はな・す【打放】
〘他サ四〙
① 刀で切り殺す。切り捨てる。
※狂言記・武悪(1660)「此おたちで〈略〉水もたまらずぶちはなして御ざる」
② 鉄砲や矢などを発射する。ぶっぱなす。
うちっ‐ぱなし【打放】
〘名〙
① =うちはなし(打放)②「打ちっぱなしのコンクリート」
② ゴルフの練習などで、球を打ったままにすること。「打ちっぱなしの練習場」
うち‐はなし【打放】
〘名〙
① 能楽の小鼓の囃子(はやし)の打ち方の一つ。拍子にのるところに用いる手。
② コンクリート建築で、形枠をはずした後の表面をそのまま仕上げ面とすること。
うち‐はなち【打放】
〘名〙 (形動) 相手を突き放すようなそっけない様子。ぶあいそう。
※契沖本住吉(1221頃か)「侍従もあはれとは見奉りながら、若き心に、打はなちに申しけるにこそ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報