デジタル大辞泉
「恵山」の意味・読み・例文・類語
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え‐さん ヱ‥【恵山】
北海道南西部、
渡島(おしま)半島南東端にある二重式成層火山。麓は
海岸段丘で、恵山温泉がある。火口原には一三〇余種の高山植物が群生。標高六一八メートル。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
恵山
えさん
恵山町と椴法華村との境界にある標高六一八・一メートルの活火山。町指定名勝。恵山道立自然公園に含まれる。亀田半島の東端に位置し、西に並ぶ海向山(五七〇メートル)とともに火口原を囲む。成層火山として知られ、噴煙をあげて赤壁・赤崖の山容を海峡に突き出す姿は古くから海上を行く船の目標にされてきた。
「ヱサン」について「地名考并里程記」は「夷語ヱシヤニなり。山のなだれと訳す。亦高山名山等をヱシヤニといふ。此山高山なれば東奥蝦夷地往返の諸廻船見当になす也」と記す。寛政三年(一七九一)当地を旅した菅江真澄は、「山」として「涌山、夷山、或涌山などさだかならねば、山とこたび書きたり」(蝦夷迺天布利)と記す。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
恵山
えさん
北海道南西部,函館市南東部の旧町域。亀田半島の先端に位置する。 1964年町制が施行され尻岸内町となり,1985年恵山町に名称変更。 2004年函館市に編入。主産業は漁業で,イカ釣り,コンブ採取,ウニ養殖などが行なわれる。日浦海岸,恵山 (618m) ,石田温泉,御崎浜温泉などの観光地が多く,海岸一帯は恵山道立自然公園に指定。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
恵山 (えさん)
北海道南部,亀田半島の南東端にある二重式火山。基盤は第三紀層で,外輪山の直径は2km。標高400~460mの溶岩や砕屑物(さいせつぶつ)より成る成層火山である。中央火口丘は外輪山の東縁に位置する溶岩円頂丘(618m)である。火口壁の東と南は欠ける。火口原は標高300mで御殿(みどの)と呼ばれ,寒暖両帯の植物が豊富で,ガンコウラン,ツツジ,イワマツなど130種以上の高山植物が群生している。1846年(弘化3)には泥流を伴う噴火によって多数の死傷者を出した。この山の南中腹には恵山温泉(原田温泉)があり,安政年間(1854-60)から湯治場として利用されたといわれる。昭和初期までは火口原に旅館がある代表的な地獄温泉の一つであったが,今日ではこの温泉跡地から山腹の旅館まで自然流下で温泉を引いている。緑バン泉,40~45℃。前方に津軽海峡を望み,背後に恵山を控えた温泉地として近年は観光客も増えつつある。
執筆者:奥平 忠志
恵山 (けいざん)
Hyesan
朝鮮民主主義人民共和国,両江道中央部の都市。人口17万8020(1993)。鴨緑江の上流,虚川江との合流点に形成された比較的広いはんらん原に位置する。李朝時代,国境防備上の拠点として兵営が置かれた。20世紀に入って,蓋馬(かいま)高原の木材資源の開発に伴いその集散地として発展,1937年には吉州からの恵山線が開通した。朝鮮戦争後,両江道の新設とともにその主都となり,鴨緑江上流方面の自然資源の開発の基地とされる一方,各種の工業が建設された。
執筆者:谷浦 孝雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
恵山【えさん】
北海道渡島(おしま)半島南東端にある活火山。標高618m。安山岩からなる成層火山で,広い火口原に高山植物が群生,海景にすぐれる。一帯に小温泉が多く,日浦海岸,恵山岬の景勝地がある。岬端の段丘上に光達距離18カイリの恵山岬灯台がある。
→関連項目恵山[町]|函館[市]
恵山【けいざん】
朝鮮民主主義人民共和国,両江道の道都。鴨緑江上流左岸の国境都市。周辺山地からの木材の集散地で,製材所,製紙工場があり,農林大学,師範大学などがある。朝鮮の最寒地の一つ。
→関連項目吉州
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世界大百科事典(旧版)内の恵山の言及
【椴法華[村]】より
…村名はアイヌ語の〈トーポケ(岬の陰)〉に由来。東端の恵山(えさん)岬が太平洋に突き出し,活火山恵山(618m),丸山(691m)などが隣接する恵山町との境にある。山林が村域の大部分を占め,山地が迫る海岸沿いに集落が散在する。…
【両江道】より
…朝鮮半島の最北部内陸の地方。朝鮮民主主義人民共和国に属し,1954年に咸鏡南道([咸鏡道])から分離して新設され,道都は[恵山]市。朝鮮最高峰の白頭山を境として,鴨緑江,豆満江を挟んで北に中国と接する国境地帯である。…
※「恵山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」