那須火山帯(読み)なすかざんたい

精選版 日本国語大辞典 「那須火山帯」の意味・読み・例文・類語

なす‐かざんたい ‥クヮザンタイ【那須火山帯】

北海道南西部から渡島(おしま)半島・東北地方東部を縦断し、長野県北東部に達する火山帯羊蹄(ようてい)山・有珠(うす)山・八甲田山・岩手山・磐梯山・那須岳浅間山などが属する。

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デジタル大辞泉 「那須火山帯」の意味・読み・例文・類語

なす‐かざんたい〔‐クワザンタイ〕【那須火山帯】

北海道南西部から奥羽山脈栃木県那須岳を経て、長野県東部の浅間山付近まで続く火山帯。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「那須火山帯」の意味・わかりやすい解説

那須火山帯
なすかざんたい

北海道南西部から奥羽(おうう)山脈を経て、長野県北東部に至る第四紀の火山帯。これらの火山はおもに輝石安山岩、デイサイトからなり、北海道の有珠山(うすざん)、岩手県の岩手山(いわてさん)などはアルカリ(ナトリウムカリウム)に乏しい玄武岩も産する。成層火山が多く、ときに溶岩円頂丘(溶岩ドーム)を伴い、北海道の支笏(しこつ)、洞爺(とうや)、倶多楽(くったら)、東北地方の十和田(とわだ)などでは、多量の火砕流噴出に伴って生じたカルデラ(湖)が形成されている。樽前(たるまえ)、有珠、北海道駒ヶ岳(こまがたけ)、吾妻(あづま)、安達太良(あだたら)、磐梯(ばんだい)、那須草津白根(くさつしらね)、浅間(あさま)など活発に活動をしている火山が多い。現在では、那須火山帯、鳥海火山帯(ちょうかいかざんたい)の名称は地理的分布の意味でしか用いられず、東日本火山帯として一括される。この場合、那須火山帯は火山フロント(前線)上に配列した火山列である。

諏訪 彰・中田節也]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「那須火山帯」の意味・わかりやすい解説

那須火山帯
なすかざんたい

東北日本で南北に走る火山帯。北海道渡島 (おしま) 半島の樽前山 (1024m) から東北地方中央部を縦断して関東地方北部に達する,南北約 1000km。洞爺湖,十和田湖,田沢湖などのカルデラ,秋田駒ヶ岳 (1637m) ,蔵王山 (1841m) ,吾妻山 (2024m) ,那須岳 (1917m) ,浅間山 (2542m) などの火山群を形成。地質は新第三紀層および流紋岩,安山岩などの火山岩類,花崗岩類を基底とし,複輝石安山岩より成る。定山渓,登別,浅虫,花巻,鳴子,蔵王,那須,鬼怒川,草津など著名な温泉が多い。火山,高原,湖,温泉など地形は変化に富み,支笏洞爺,十和田八幡平,磐梯朝日,日光,上信越高原の諸国立公園に属する景勝地が多い。

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百科事典マイペディア 「那須火山帯」の意味・わかりやすい解説

那須火山帯【なすかざんたい】

北海道北西海上の利尻島から始まり,洞爺カルデラ,渡島(おしま)半島の駒ヶ岳を経て本州にわたり,奥羽地方の中央部を南下,駒ヶ岳(秋田),十和田カルデラ,蔵王山,吾妻山などの諸火山から那須岳を経て長野県東部の浅間山あたりまで続く火山帯。
→関連項目奥羽山脈上毛三山鳥海火山帯

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改訂新版 世界大百科事典 「那須火山帯」の意味・わかりやすい解説

那須火山帯 (なすかざんたい)

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世界大百科事典(旧版)内の那須火山帯の言及

【火山帯】より

…雌阿寒岳,十勝岳では気象庁が常時火山観測を行っている。
[那須火山帯]
 那須岳を盟主とし,北海道南西部から南下して,奥羽山脈を経て,長野県北東部に至る火山帯。東日本火山帯の一部をなす。…

※「那須火山帯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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