御願(読み)ゴガン

デジタル大辞泉 「御願」の意味・読み・例文・類語

ご‐がん〔‐グワン〕【御願】

阿弥陀仏衆生救済の誓願
貴人祈願・立願を敬意をこめていう語。御祈願。御立願ごりゅうがん
「―ありて加茂に詣で給ひけるを」〈宇津保・俊蔭〉
御願寺」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「御願」の意味・読み・例文・類語

ご‐がん ‥グヮン【御願】

〘名〙 (「ご」は接頭語)
① 衆生を救済したいという仏の願。阿彌陀仏の御誓願。
※百座法談(1110)閏七月一一日「御願ひとつに滅罪生善の御功徳に候めれば、事のはばかりをさるべきにも候はず」
② 貴人を敬って、その人が願を立てることをいう語。御祈願。御立願(ごりゅうがん)
※続日本紀‐宝亀一〇年(779)八月癸亥「望請、任先御願、皆帰本国者」
※観智院本三宝絵(984)下「天智天皇寺つくらむの御願あり」
③ 「ごがんじ(御願寺)」の略。
※殿暦‐康和四年(1102)二月二四日「白河御願に有御幸。午剋許也」
太平記(14C後)二「東大寺と申すは聖武天皇の御願、閻浮(えんぶ)第一の盧舎那仏興福寺と申すは淡海公の御願」

お‐ねがい ‥ねがひ【御願】

〘名〙 (「お」は接頭語)
① 人に助力配慮などを求めること。願いを丁寧に、あるいは謙遜していう言葉
浄瑠璃妹背山婦女庭訓(1771)一「太宰の家相続の御願ひが申し上げ度く」
② 「お願いします」を略して、親しい人に用いる言葉。主に女性が用いる。
※父の詫び状(1978)〈向田邦子〉昔カレー「『お母さん、お願いね』で済むのに」

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