彌増(読み)いやます

精選版 日本国語大辞典 「彌増」の意味・読み・例文・類語

いや‐ま・す【彌増】

〘自サ四〙 (「いや」は副詞) いよいよ多くなる。ますます激しくなる。一段と募る。いよます。
※大唐西域記長寛元年点(1163)五「忽異を覩(み)て祗(つつしみ)(おづることを)重増(イヤマス)
洒落本・両国栞(1771)「夏の日ざかり菅笠(すげがさ)花蓙(はなござ)の声にあつさいやまし」

いや‐まし【彌増】

〘形動〙 (「いや」は副詞) いよいよまさるさま。ますます多くなるさま。
万葉(8C後)二〇・四二九八「霜の上に霰(あられ)たばしり伊夜麻之爾(イヤマシニ)(あれ)参来(まゐこ)む年の緒長く」
仮名草子・元の木阿彌(1680)上「そのかみ千之丞が流れを汲て、いやましの君、玉川万之丞」

いや‐まさ・る【彌増】

〘自ラ四〙 (「いや」は副詞) いよいよ程度が激しくなる。ますます盛んになる。次第に募る。
※万葉(8C後)一一・三一三五「近くあれば名のみも聞きてなぐさめつこよひゆ恋の益益(いやまさり)なむ」

いや‐まさり【彌増】

〘形動〙 (「いや」は副詞) いよいよ多くなるさま。激しくなるさま。一段と増大するさま。
伊勢物語(10C前)四〇「さるあひだに思ひはいやまさりにまさる」

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