山北(読み)さんぽく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「山北」の意味・わかりやすい解説

山北
さんぽく

新潟県北部,村上市北部の旧町域。西部は日本海に面し,北と東で山形県に接する。1955年黒川俣村,八幡村,大川谷村,中俣村,下海府村の 5村が合体して山北村となり,1965年町制。2008年村上市,荒川町,神林村,朝日村の 4市町村と合体して村上市となった。越後国出羽国の国境をなす鼠ケ関(→念珠関)の南にあり,大川谷には天文年間(1532~55)に上杉謙信家臣が城を構え,国境防備の任を果たしたと伝えられる。山菜,山北杉を産出。日本海に面する海岸は断崖絶壁をなす海岸景勝地で,特に桑川を中心とする笹川流れは国指定名勝および天然記念物として有名。筥堅八幡宮社叢(はこがたはちまんぐうしゃそう)も国の天然記念物に指定。大川の上流にはしな布紡織の習俗が伝わる雷(いかづち)や山熊田の集落がある。一部が瀬波笹川流れ粟島県立自然公園に属する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「山北」の意味・わかりやすい解説

山北
さんぽく

新潟県北端、岩船郡(いわふねぐん)にあった旧町名(山北町(まち))。現在は村上市(むらかみし)の北部を占める地域。1955年(昭和30)蒲萄(ぶどう)海岸の下海府(しもかいふ)、黒川俣(くろかわまた)、八幡(やはた)と、県北の中俣(なかまた)、大川谷(おおかわだに)の5村が合併して郷名をとって山北村となり、1965年町制施行。2008年(平成20)村上市に合併。JR羽越本線(うえつほんせん)、国道7号、345号が通じる。旧町域の90%は山地で占められ、山北杉が名産。海岸通りは「笹川流れ(ささがわながれ)」とよばれる景勝地で、羽越本線からの車窓の眺めがすばらしい。海府浦海岸は県下有数の漁村で、テングサアワビをとる海女(あま)集落も残る。日本海パークライン(国道345号)とよばれる自動車道が開通し、観光地にかわっている。勝木(がつぎ)の筥堅八幡宮社叢(はこがたはちまんぐうしゃそう)は国指定天然記念物。海水浴場も多い。

[山崎久雄]

『『山北村郷土史』(1965・山北村)』


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改訂新版 世界大百科事典 「山北」の意味・わかりやすい解説

山北[町] (やまきた)

神奈川県北西端,足柄上(あしがらかみ)郡の町。人口1万1764(2010)。西は静岡県,北西は山梨県に接する。丹沢山地の西半部を占め,町域の北部には標高1000m以上の山が広く分布し,河内川とその支流沿いに集落が発達している。中心集落の山北は,現在は周辺の小商業中心にすぎないが,東海道本線が現在の御殿場線のルートを通っていた1889年から丹那トンネルの開通する1934年まで機関区が置かれ,鉄道の町としてにぎわった。第2次大戦中までは薪炭の集散地として知られた。山北周辺の丘陵斜面ではミカンや茶が栽培されている。丹沢山地は登山,ハイキング適地で,丹沢大山国定公園および丹沢大山県立自然公園に指定されている。河内川にはロックフィル式の三保ダムが建設され,ダム建設にともなってできた丹沢湖周辺は観光地となっている。上流には武田信玄の隠し湯であったといわれる中川温泉があり,さらに上流に樹齢約2000年と推定される箒(ほうき)杉があり,国の天然記念物に指定されている。
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山北 (さんぽく)

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デジタル大辞泉プラス 「山北」の解説

山北

神奈川県足柄上郡山北町にある道の駅。主要地方道山北藤野線に沿う。

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世界大百科事典(旧版)内の山北の言及

【琉球】より

…按司は〈ぐすく(城)〉と称する城塞を築造して抗争し,12世紀末から13世紀には舜天,英祖などの強大な按司が出現し,14世紀に入ると沖縄本島を中心に〈三山(さんざん)〉と呼ばれる小国家が出現した。北部には今帰仁(なきじん)城を拠点とする〈山北(さんほく)(北山)〉が,中部には浦添(うらそえ)城(のちに首里(しゆり)城)を拠点とする〈中山(ちゆうざん)〉が,南部には島尻大里(しまじりおおざと)城(一時は島添(しまそえ)大里城)を拠点とする〈山南(さんなん)(南山)〉が割拠して互いに覇を競った。 1372年中山王察度(さつと)は中国に誕生した明朝の太祖洪武帝の招諭を受け入れて初めて入貢し,その冊封(さくほう)体制の一員となった。…

※「山北」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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