普及版 字通 「局(漢字)」の読み・字形・画数・意味
局
常用漢字 7画
[字訓] まがる・かぎり
[説文解字]
[字形] 会意
尺(しやく)()+口。は身を屈している形で、いわゆる屈肢葬。口((さい))は祝を収める器。この屍骨の呪霊に対して祝する形で、局促してせまる意がある。〔説文〕二上に「促なり」とはかがみ屈する意とするもので、「口の尺下に在るに從ふ。復(ま)た之れを局す」とは、口をつぼめとざす意であろう。屈肢の屍による呪儀であるから、迫り促す意があり、また屈肢の象から、かがむ・ちぢまる・分局・局守・局部・局面などの意となる。
[訓義]
1. 屈肢の屍による呪詛、うながす。
2. かがむ、ちぢまる、こせつく。
3. まがる、せまい。
4. こわけ、わかつ、わける。
5. かぎり、しきり、分局、局部。
6. 分局した部分の担当、つとめ、つぼ、へや。
7. 分局した部分でのはたらき、才能。
8. つとめ、はたらきのようす、局面。
9. 碁や演芸などの一くぎり。〔説文〕に「一に曰く、なり。棊を行ふ以。象形」とするが、その形とはみえない。終始。
10. 局局は笑うさま。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕局 カギル・ツボネ・マトヰル・タムロ・セハシ 〔字鏡集〕局 トビラ・ツボネ・トザシ・サス・ヒトシ・ツカサ・トボソ・カザル・キハムルコト・ヒラク・セハシ・ワヅカ・カギル・トドコホル・チカシ・トラフ・ワカル・クルルキ・タムロ
[声系]
〔説文〕十二上に局声としてを収め、「持(げきじ)するなり」という。〔詩、風、鴟〕に「拮据(きつきよ)」の語があり、〔毛伝〕に「(げききよく)するなり」という。跼は〔説文〕未収。〔玉〕に「跼(けんきよく)なり」とする。屈めて力を加えるような状態をいう語である。
[語系]
局・跼giok、曲khiokは声義が近い。句・鉤・ko、拘kioも同系の語と考えてよい。
[熟語]
局宇▶・局外▶・局幹▶・局棋▶・局戯▶・局脚▶・局局▶・局限▶・局差▶・局詐▶・局子▶・局識▶・局室▶・局守▶・局縮▶・局所▶・局署▶・局丞▶・局図▶・局勢▶・局蹐▶・局節▶・局操▶・局束▶・局促▶・局数▶・局趣▶・局致▶・局陳▶・局度▶・局套▶・局迫▶・局板▶・局部▶・局▶・局方▶・局面▶・局僚▶・局量▶・局力▶
[下接語]
一局・開局・官局・幹局・危局・棋局・器局・曲局・窘局・結局・限局・史局・時局・終局・書局・政局・戦局・大局・対局・智局・当局・難局・破局・博局・赴局・部局・分局・局・薬局
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報