普及版 字通 「尨(漢字)」の読み・字形・画数・意味
尨
7画
[字訓] むくいぬ・みだれる・おおきい
[説文解字]
[甲骨文]
[字形] 象形
毛の多い犬の形。〔説文〕十上に「犬の毛多きなり」とし、「犬彡(さん)に從ふ」と会意とする。彡は形・・影などに加えるものと異なって、穆(禾(か)の実)と同じく、本来その属性としてあるものを示すのであるから、象形としてよい。むく犬の意で、〔詩、召南、野有死麕(やゆうしきん)〕に「尨をして吠えしむること無(なか)れ」とみえる。〔周礼、地官、牧人〕「尨を用ひて可なり」とは、雑色不純のものをも、犠牲として用いることをいう。尨雑・尨乱の意より、尨大の意にも用いる。
[訓義]
1. むくいぬ、毛の多い犬。
2. まじる、まじわる、色がまじる。
3. みだれる、多くてみだれる。
4. 厖(ぼう)・と通じ、大きい、多い。
[古辞書の訓]
〔字鏡集〕尨 ムクイヌ・イヌ
[熟語]
尨奇▶・尨▶・尨狗▶・尨雑▶・尨▶・尨然▶・尨眉▶・尨服▶・尨尨▶・尨民▶・尨乱▶
[下接語]
吠尨・夜尨・邑尨・老尨
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報