安楽庵(読み)あんらくあん

精選版 日本国語大辞典 「安楽庵」の意味・読み・例文・類語

あんらく‐あん【安楽庵】

[1] 京都誓願寺の茶室の名。開祖安楽庵策伝は江戸初期の仮名草子作者、茶人として有名だが、庵号をもって雅号とした。
[2] 〘名〙 (一)に伝わった袈裟裂(けさぎれ)およびそれに類する古金襴(きんらん)。安楽庵策伝の好みによる命名名物裂として、茶器の袋などに珍重された。中国から渡来の物は、古くは南宋時代、新しくは明代のものである。地色はさまざまで、雲形または菱紋の上に、牡丹唐草などの模様がある。あんらくあんのきれ。あんらくあんきんらん。
洒落本通言総籬(1787)「風帯(ふうたい)一文字はあんらくあんさ」

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デジタル大辞泉 「安楽庵」の意味・読み・例文・類語

あんらく‐あん【安楽庵】

三重県専修寺境内にある茶室。千道安織田有楽の共作で、両者の名を1字ずつとって庵名としたという。
京都誓願寺竹林院に安楽庵策伝が開いた庵。

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