太子(読み)タイシ

デジタル大辞泉 「太子」の意味・読み・例文・類語

たいし【太子】

大阪府南東部、南河内郡地名二上山にじょうさん西麓で、小野妹子おののいもこの墓、聖徳太子びょうなどがある。
兵庫県南西部揖保いぼ郡の地名。姫路市の西隣にあり、斑鳩寺はんきゅうじ・いかるがでらは聖徳太子の建立といわれる。

たい‐し【太子】


皇位を継ぐものと定められている皇子王子東宮とうぐう。ひつぎのみこ。
古代中国の、天子諸侯の世継ぎ。
聖徳太子」の略。
[類語]皇太子東宮

コニセシム【太子】

《古代朝鮮語》三韓の皇太子。コンセシム

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精選版 日本国語大辞典 「太子」の意味・読み・例文・類語

コニセシム【太子】

〘名〙 (古代朝鮮語で、「コニ」は大の意、「セシム」は王子の意か) 百済の王子、皇太子。コンセシム。
書紀(720)継体七年八月(寛文版訓)「秋八月癸未の朔戊申に百済太子(コニセシム)(〈別訓〉こむせしむ)淳陀薨(みうせ)ぬ」

コンセシム【太子】

〘名〙 =コニセシム
※書紀(720)継体七年八月(寛文版訓)「百済太子(こにせしむ)(〈別訓〉コムセシム)淳陀薨(みうせ)ぬ」

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改訂新版 世界大百科事典 「太子」の意味・わかりやすい解説

太子[町] (たいし)

大阪府南東部,南河内郡の町。人口1万4220(2010)。金剛山地北部の二上山西斜面と石川流域の平たん地よりなり,東は奈良県に達する。古代に難波飛鳥を結ぶ官道として開かれた竹内(たけのうち)街道に沿う。河内飛鳥の一角を占め,王陵の谷といわれるほど古墳が多く,敏達,用明,推古,孝徳天皇陵や聖徳太子の磯長(しなが)墓があり,近くには〈上の太子〉と呼ばれる叡福寺がある。竹内街道は江戸時代に参勤交代路として重視されたが,明治以後は衰えた。基幹産業は農業で,米作,ミカン・ブドウなどの栽培が盛ん。金剛砂の採掘や作業手袋の製造も行われる。1973年ころから住宅団地の建設も始められ,人口も増加している。北部を近鉄南大阪線が通る。
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太子[町] (たいし)

兵庫県南西部,揖保(いぼ)郡の町。1951年斑鳩(いかるが)町と太田村,石海(いわみ)村が合体改称。55年竜田村を編入。人口3万3438(2010)。播州平野西部に位置し,西部を林田川,中央部を大津茂川が流れる。聖徳太子ゆかりの地で,古代には法隆寺領鵤(いかるが)荘が設けられ,同荘の政所をかねた斑鳩(はんきゆう)寺が建立された。播磨工業地域に含まれ,電気機械,マッチ製造などの工場が多く,中央を国道2号線が横断し,179号線を分岐するなど,交通の便もよい。北東部の丘陵地や低地に住宅地が次々と形成され,隣接する姫路市,竜野市(現,たつの市)のベッドタウン化が進み,人口も増加した。斑鳩寺には寺宝が多く,鎌倉時代の作といわれる釈迦三尊や室町時代の様式を残す三重塔は重要文化財に指定。
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普及版 字通 「太子」の読み・字形・画数・意味

【太子】たいし

王の嫡子。

字通「太」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の太子の言及

【皇太子】より

…天皇の位を継ぐべき皇子。たんに太子ともいい,〈ひつぎのみこ〉〈もうけのきみ〉,東宮,春宮,儲君(ちよくん)ともいう。皇太子は,天皇在位中に,皇子,皇孫,皇兄弟またはその他の皇親のうちから定められ,立太子の儀が行われるのが恒例である。…

【磯長】より

…現在の大阪府南河内郡太子町の一部の歴史地名。科長とも記す。…

【鵤荘】より

…播磨国揖保郡の荘園で,現在の兵庫県揖保郡太子町を中心とする地域。大和の法隆寺領。…

※「太子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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