諸侯(読み)しょこう

精選版 日本国語大辞典 「諸侯」の意味・読み・例文・類語

しょ‐こう【諸侯】

〘名〙
① 古代中国で、天子から封土を受け、その封土内の人民を支配していた人。
※菅家文草(900頃)四・小知章「述曰、宋栄忘有、禦寇得仙、大智也。五等殊方、侯就事、小智也」
※太平記(14C後)二八「漢此諫に付て、即諸侯に約し、三百余万騎の勢にて、項王を追懸給ふ」 〔易経‐上経比〕
② 中世末期から近世にかけて、諸大名をいう。
※柳沢文書‐(元亀四年)(1573)七月二四日・足利義昭御内書「諸侯之者共織田かたより依調略、企逆意

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「諸侯」の解説

諸侯
しょこう

①周代,王から封土を分与された一族功臣
②中世封建社会で,王と主従関係を結んだ領主階層
世襲の支配者として土地と農民を支配し,王に対しては貢納と軍役の義務を負った。・侯・伯・子・男の5つの爵位に分けられた。
封土を媒介として王に対して奉仕・軍役を行うが,血縁関係を基礎とする中国に対し,契約としての側面が強い。諸侯は,一般に中小貴族家臣にもつ大貴族をさすが,貴族全体を意味することもある。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

デジタル大辞泉 「諸侯」の意味・読み・例文・類語

しょ‐こう【諸侯】

近世、諸大名をいう。→大名
古代中国で、天子から封土を受け、その封土内の人民を支配していた人。
封建時代のヨーロッパで、一定の支配地と臣下をもった領主階級。
[類語]領主藩主藩侯城主殿様殿大名小名

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「諸侯」の読み・字形・画数・意味

【諸侯】しよこう

封建された諸国の王。大名。〔史記、漢興りてより以来の諸侯王年表〕定まりて百年の、親屬疎にして、侯或いは驕奢なり。

字通「諸」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

旅券返納命令

外務大臣や領事官が旅券(パスポート)を返納させる必要があると認めたとき、旅券の名義人に対し、期限を設けて旅券の返納を命ずることができる規則。申請時に虚偽の記載があったときや旅券の記載事項の訂正をした場...

旅券返納命令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android