天売島(読み)てうりとう

精選版 日本国語大辞典 「天売島」の意味・読み・例文・類語

てうり‐とう ‥タウ【天売島】

北海道北西部、日本海にある島。面積五・五平方キロメートル。焼尻(やぎしり)島と対する。天明六年(一七八六)の天塩(てしお)場所の設置以来、ニシン漁がさかんに行なわれた。北西岸はオロロン鳥(ウミガラス)・ウミネコなど海鳥の繁殖地として知られる。暑寒別天売焼尻国定公園一部

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デジタル大辞泉 「天売島」の意味・読み・例文・類語

てうり‐とう〔‐タウ〕【天売島】

北海道北西部、日本海上の島。羽幌町に属する。海食崖が連なり、オロロン鳥ウミネコなど海鳥の繁殖地。

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日本歴史地名大系 「天売島」の解説

天売島
てうりとう

焼尻やぎしり島の約三・五キロ西にある島。同島との間に武蔵むさし水道があり、島の北西沖に武蔵堆がある。周囲一二キロ、面積五・五平方キロ、最高点は南西部の一八四・五メートル。北部にゴメ岬東部太郎兵衛たろべえ崎があり、南西岸は海食崖の発達がみられ、ハバ岩・観音崎・カブト岩・女郎子じよろつこ岩・屏風びようぶ岩・赤岩などの景観が続く。北東部の弁天べんてんに地方港湾天売港および天売島灯台が設置される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「天売島」の意味・わかりやすい解説

天売島
てうりとう

北海道北西部、留萌(るもい)振興局管内の羽幌町(はぼろちょう)に属す島。面積5.50平方キロメートル。町の西方約30キロメートルの日本海上にあり、約4キロメートルの武蔵水道(むさしすいどう)を隔てて焼尻島(やぎしりとう)と相対する。1786年(天明6)天塩場所(てしおばしょ)設置以後に漁場が開かれ、以来ニシン漁でにぎわった。近年はウニ、アワビコンブなどの採取や沖合いの武蔵堆(たい)などへの出漁が行われる。天売焼尻道立自然公園に指定された景勝地で、北西岸は海食による断崖(だんがい)が連なり、海中に屏風(びょうぶ)岩、女郎子(じょろっこ)岩などがある。付近一帯ウトウ、ウミネコなど海鳥の繁殖地(国の天然記念物)。羽幌港、焼尻港とを結ぶ定期船便がある。人口366(2009)。

岡本次郎

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改訂新版 世界大百科事典 「天売島」の意味・わかりやすい解説

天売島 (てうりとう)

北海道留萌(るもい)支庁羽幌町の西方約30kmの日本海上に浮かぶ島。人口398(2010)。周囲約12km,面積約5.5km2の小島で,北西海岸は最高150mの海食崖が続き,海中には屛風(びようぶ)岩,女郎子(じよろつこ)岩などがそそり立つ。集落は東部海岸沿いに散在し,北部の天売港から羽幌港へ定期船が通じる。1786年(天明6)漁場が開設され,ニシン漁でにぎわった。現在も住民の大半はウニ,アワビ,コンブなどの採取漁業を営む。海食崖にはオロロンチョウ(ウミガラス)をはじめケイマフリ,ウミウなどが生息し,天売島海鳥繁殖地(天)に指定されている。約4km東方の焼尻(やぎしり)島とともに天売焼尻道立自然公園に指定されている。
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百科事典マイペディア 「天売島」の意味・わかりやすい解説

天売島【てうりとう】

北海道羽幌町に属し,約30km沖にある小島。〈てうれ〉とも。面積5.47km2。近世には〈へうれ〉〈テウレ〉などとみえ,ニシン・サケ・タラ・ナマコ・コンブなどを産物とした。海岸段丘と丘陵からなり,集落は標高15mの最下段段丘に発達。ニシン漁消滅後はコンブ,アワビなど磯物を採取。ウミガラス(オロロンチョウ)など海鳥繁殖地(天然記念物)。羽幌から船便がある。
→関連項目暑寒別天売焼尻国定公園羽幌[町]焼尻島

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「天売島」の意味・わかりやすい解説

天売島
てうりとう

北海道北西部,日本海に浮ぶ島。羽幌町に属する。天明6 (1786) 年に天塩場所が開設されてからニシン漁で繁栄したが,1956年頃を境に,ホタテガイの採取,カレイ刺網,タコ漁などの沿岸漁業に転換。全島が暑寒別天売焼尻国定公園に属し,奇岩,断崖が多い南西部の海岸は,ウミガラス (オロロンチョウ) ,ウミウなど海鳥の繁殖地で天然記念物。羽幌港とフェリーで結ばれる。面積 5.50km2。人口 476 (2000) 。

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