羽幌(読み)はぼろ

改訂新版 世界大百科事典 「羽幌」の意味・わかりやすい解説

羽幌[町] (はぼろ)

北海道北西部,留萌(るもい)支庁苫前郡の町。日本海上の天売(てうり)島焼尻(やぎしり)島を含む。人口7964(2010)。北部を築別川,南部を羽幌川が流れ,中心市街は羽幌川河口に発達している。江戸時代前期,松前藩が砂金採取のために入り,1786年(天明6)には藩の場所請負人によってニシンの取引場が設置されて和人の本格的な入地が始まった。1896年から内陸部の原野に福井・富山両県出身者の入植が始まり,耕地戸数も急増した。昭和に入って築別川,羽幌川上流に炭鉱が開発され,最盛時の1967年ころには人口も3万をこえた。しかし70年に炭鉱は閉山漁業の不振も加わり,急速に過疎化が進んだ。現在は稲作を中心に養豚などの畜産が行われ,スケトウダラ,カレイ,タコなどを漁獲する。海岸沿いを国道232号線が通る。
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