大石良雄宅跡(読み)おおいしよしおたくあと

日本歴史地名大系 「大石良雄宅跡」の解説

大石良雄宅跡
おおいしよしおたくあと

[現在地名]山科区西野山桜ノ馬場町

山科盆地西南山麓の曹洞宗岩屋いわや寺の境内続地。「赤穂義人伝」に「山科ノ家作ヲハ内蔵助カ隠居所ト定メテ、敵討ノ時節ニハ其辺ノ禅宗僧ニチナミヲ致シ、此僧ニ屋鋪ヲ預ケ」たとみえる大石良雄の「隠レ所」。ここに住んで島原しまばら撞木町しゆもくまちなどへ遊興に通ったという。歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」九段目山科閑居の場には、「風雅でもなく、洒落でもなく、しよう事なしの山科に、由良之助が佗び住居」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「大石良雄宅跡」の解説

おおいしよしおたくあと【大石良雄宅跡】


兵庫県赤穂(あこう)市上仮屋にある大石家3代の居宅跡。大手門から赤穂城跡に入り左折した右手に位置し、この一帯は藩の重臣たちの屋敷で占められていた。赤穂城は1646年(正保2)に浅野長直(ながなお)が常陸国笠間から入国し、直後に城の拡張工事が始まったので、武家屋敷の割り当てはそれ以降行われ、大石邸もこの時期に建てられたとされる。赤穂浪士の討ち入りでお家断絶後、永井氏の家老篠原長兵衛が入居し、さらに森氏に引き継がれたが、1729年(享保14)に屋敷が焼失。残った長屋門紙漉(かみす)き職人の住居に使用されたといわれており、江戸時代の面影を偲ばせることから、1923年(大正12)に国の史跡に指定された。1977年(昭和52)から翌年にかけて長屋門を往時の姿に解体修理。資料館として大石神社義士宝物殿がある。JR赤穂線播州赤穂駅から徒歩約10分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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