大垂髪(読み)オオスベラカシ

デジタル大辞泉 「大垂髪」の意味・読み・例文・類語

おお‐すべらかし〔おほ‐〕【大垂髪】

近世宮中に仕えた女性正装のときの髪形両脇に広げながら後方へ垂らし、後ろ肩で束ねてハート形とし、かもじを加えて長く垂らしたもの。武家の女性も用いた。さげがみ。すべらかし。

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精選版 日本国語大辞典 「大垂髪」の意味・読み・例文・類語

おお‐すべらかし おほ‥【大垂髪】

〘名〙 近世の宮廷に仕える婦人の裳唐衣姿の際の髪形。下げ髪に髢(かもじ)を加えて、背後に長く垂れ下げる。袿姿(うちきすがた)の際の垂髪(すべらかし)より大形とするため大(だい)とも髪上下(かみあげした)ともいう。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大垂髪」の意味・わかりやすい解説

大垂髪
おすべらかし

すべらかしともいい,婦人の下げ髪のこと。 (もとどり) から先のほうの髪を背側にすべらせ,長く垂れ下げたもので,日本の平安~室町時代にかけて,一部では明治初めまでこの髪型中心であった。別名,すべし髪,すべし髻,下げ髪,垂髪ともいう。

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百科事典マイペディア 「大垂髪」の意味・わかりやすい解説

大垂髪【おおすべらかし】

〈おすべらかし〉とも。平安時代貴族から,中世・近世の公家・武家の女性の髪形。現在宮中儀式に残る〈おすべらかし〉とは異なる。自然の垂髪を肩の辺で束ね,長かもじを添えて,絵元結(えもとゆい)で結び,その先を水引で数ヵ所結ぶ。

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