后(漢字)

普及版 字通 「后(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

[字音] コウ・ゴ
[字訓] きみ・きさき・のち

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
人+口。口は(さい)、祝詞を収める器。字の立意は君と似たところがある。〔説文〕九上に「繼體の君なり」とし、「人の形に象る。令を施して以て四方ぐ。故に之れを厂(た)る。一に從ふ。口もて號を發するは君后なり」と説くが、字は一と厂(かん)とに分かつべきものではない。神話的な古帝王に、夏后・后(こうげい)のように后とよぶものが多い。卜文の后の字はの形に作り、母后の分の形に作る。卜文に后祖乙・后祖丁を祖乙・祖丁に作る。后は後の意。早くからその訓があったのであろう。

[訓義]
1. きみ、おそらく女君。
2. きさき、王の妃。
3. のち。

[古辞書の訓]
名義抄〕后 キミ・ノチ 〔字鏡集〕后 キサス(キ)・ヒメ・ノチ・キミ

[部首]
〔説文〕にをこの部に属する。后はおそらくの簡略形から出たものであろうが、すでに原形との関係をたどりがたい。君と立意の近い字であるから、君と同じく口部に属すべき字である。

[声系]
〔説文〕に后声として詬・・垢など六字を収め、おおむね詬辱の意をもつ。后はもと生子の象で、人の後部の意をもつ字であるからであろう。

[語系]
后・hoは同声。竅・kyも声義が近い。后・、竅・はあたかも相対する関係にある。口kho、孔khong、尻kheu、窟khiut、窖keuなども同系の語であろう。

[熟語]
后王・后后稷后職后族后帝后土后党后妃后辟
[下接語]
王后・群后・元后・皇后・高后・三后主后・先后・太后天后・母后・明后・立后・霊后

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報