普及版 字通 「卸(漢字)」の読み・字形・画数・意味
卸
常用漢字 9画
(旧字)
8画
[字訓] おろす・とく
[説文解字]
[字形] 会意
正字はに作り、(御)(ぎよ)の初形。の部分は、卜文では午あるいは幺(よう)の形にしるし、祈るときの呪器。卩(せつ)はそれを拝する形。これによって災厄を「禦(ふせ)ぎ」「御(おさ)め」、あるいは神を「御(むか)え」る儀礼とした。〔説文〕九上に「車を舍(お)きて、馬を解くなり」とするが、もとはの初文。のちととは別の字となり、は車馬を解く意に用い、わが国では荷を卸す、卸問屋のように用いる。
[訓義]
1. おろす、車から馬を解く、とく、のぞく、はなす。
2. とける、はなれる、おちる。
3. 国語では、おろす、荷をおろす、おろし売りの意に用いる。
[古辞書の訓]
〔字鏡集〕 タレリ・ミヤツカヘ・ウヤマフ・タビ・イタル
[声系]
〔説文〕にを彳(てき)・の会意字とし、〔段注〕には亦声、〔説文通訓定声〕に形声とする。はもとに作り、はその繁文であるが、のち声義ともに分化した字である。
[熟語]
卸鞍▶・卸貨▶・卸冠▶・卸肩▶・卸甲▶・卸事▶・卸車▶・卸妝▶・卸職▶・卸▶・卸責▶・卸船▶・卸頂▶・卸頭▶・卸任▶・卸帆▶
[下接語]
遠卸・卸
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報