普及版 字通 「副(漢字)」の読み・字形・画数・意味
副
常用漢字 11画
(異体字)
20画
[字訓] さく・わかつ・そう・ひかえ
[説文解字]
[字形] 形声
声符は(ふく)。に盈満の意があり、それを両分することをいう。〔説文〕四下に「(わか)つなり」とあり、正副・副次の意となる。犠牲を殺(たくさつ)することを(ひょく)といい、辜(ひょくこ)という。犠牲を披(ひら)いて城門などに掲げ、風蠱(ふうこ)を防ぐ法として行われた。〔礼記、曲礼上〕「天子の爲にを(さ)くときは、之れを副にす」とあり、横切りして四分して用いた。
[訓義]
1. さく、二分する、わかつ、わる。
2. そう、そえる、つきそう、かいぞえ、すけ。
3. うつす、ひかえ、副本。
4. かもじ、髪飾り。
[古辞書の訓]
〔和名抄〕副車 曾閇久万(そへくるま)。俗に云ふ、比度多万比(ひとたまひ) 〔名義抄〕副 タグヒ・タスク・ヨツキ・ソフ・ツク・ツバビラカニ・カナフ・ツギニ 〔字鏡集〕副 タグヒ・カフル・カナフ・ソヘタリ・ヨツサキ・ツク・カヨフ・ソフ・タスク・スヂ・ツマビラカ
[語系]
副phiukは劈phykと声近く、また剖・phも同系の語で分割・中分の意がある。bioは副馬、また副次の意において通じる。
[熟語]
副▶・副君▶・副啓▶・副▶・副后▶・副虹▶・副佐▶・副倅▶・副弐▶・副二▶・副次▶・副車▶・副主▶・副書▶・副妾▶・副将▶・副乗▶・副浄▶・副職▶・副綏▶・副旦▶・副馬▶・副服▶・副封▶・副墨▶・副本▶・副輅▶
[下接語]
副・介副・軍副・国副・次副・写副・状副・正副・副
20画
(異体字)副
11画
[字訓] さく・ひらく・わかつ
[説文解字]
[字形] 会意
二(ふく)+刀。〔説文〕四下に副を正字とし、「(わか)つなり」と訓し、「禮に曰く、辜(ひよくこ)して祭る」の文を引く。〔周礼、春官、大宗伯〕に「辜を以て四方百物を祭る」とあり、〔注〕に「牲の胸を(ひら)くなり。きて之れを(たく)す」とみえる。大儺(たいだ)(おにやらい)のときには、風蠱(ふうこ)を防ぐために、犬牲をしてこれを城門に掲げた。これを辜という。は器が盈満する形。これを両分することをという。副はその省文ともみられる字形であるが、は辜の字に、副は副次の意に用い、慣用に異なるところがある。
[訓義]
1. さく、ひらく、犠牲の胸をひらく。これを風にするためである。
2. わかつ、両分する。
[古辞書の訓]
〔字鏡集〕副・ タグヒ・カフル・カナフ・ソヘタリ・ヨツサキ・カヨフ・ツク・ソフ・タスク・スヂ・ツマビラカ
[語系]
・副phiuk、劈phyek、剖phは声義近く、みな分かち裂く意がある。(ほう)は果実が充実し、ついに剖判する意で、不・丕(ひ)・否・は果の結実し、成熟する過程を示す。は古い字形がなく、系との関係は明らかでない。には盈満の意があるようである。・副はまたbioと声が近く、副次の意がある。
[熟語]
▶・辜▶・事▶
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報