ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハク」の意味・わかりやすい解説
ハク
Haq, Mohammad Ziāul-
[没]1988.8.17. パンジャブ,バハワルプール
パキスタンの軍人,政治家。第2次世界大戦末期にはビルマ,マラヤ,インドネシアに従軍。パキスタン独立後パキスタン陸軍に移り,1955年クエッタ上級士官学校を卒業。 64年中佐で同校教官。 66~68年騎兵連隊を指揮。 72年少将となり,反ブットー陰謀を裁く軍事法廷の議長をつとめた。 72~75年アメリカ,イギリスに留学。 76年3月 Z.A.ブットー首相により陸軍参謀長に任命されたが,77年7月5日反ブットー運動のなかで無血クーデターを決行,ブットー首相ら与野党指導者を保護拘禁し,全土に戒厳令をしいて,みずから戒厳司令官に就任。当初 10月に総選挙をやり直し,選挙後民政に復帰する旨公約していたが,結局実施しなかった。猛烈なイスラム復古主義者で,78年9月大統領に就任,強権政治を開始した。 79年2月にはイスラム法体系を実施,4月ブットーを殺人罪で処刑。 80年9月にはイスラム諸国会議に推されて,イラン・イラク戦争の調停役をつとめた。 88年飛行機事故死。
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