前車の覆るは後車の戒め(読み)ゼンシャノクツガエルハコウシャノイマシメ

デジタル大辞泉 「前車の覆るは後車の戒め」の意味・読み・例文・類語

前車ぜんしゃくつがえるは後車こうしゃいまし

《「漢書賈誼伝にある、前の車が覆るのを見たら、あとの車は同じわだちの跡を行かないようにせよという諺から》先人失敗後人教訓となるというたとえ。
[補説]「前者の覆るは後者の戒め」と書くのは誤り。

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精選版 日本国語大辞典 「前車の覆るは後車の戒め」の意味・読み・例文・類語

ぜんしゃ【前車】 の 覆(くつがえ)るは後車(こうしゃ)の戒(いまし)

(「漢書‐賈誼伝」の「鄙諺曰、前車覆後車戒、秦氏所以亟絶者、其轍迹可見、然而不避、是後車又将覆也」から) 前に進むものの失敗はあとから来るものにとって戒めとなること。前人の失敗は後人の戒めとなるということ。先車の戒め。
※金刀比羅本保元(1220頃か)上「前車(センシャ)のくつがへすは後車(コウシャ)のいましめにて、むほんをやおこさせ給ひし」 〔晏子春秋‐子尾疑晏子不受慶氏之邑、晏子謂足欲則亡〕

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故事成語を知る辞典 「前車の覆るは後車の戒め」の解説

前車の覆るは後車の戒め

だれかの失敗は、後に続く者の戒めとなることのたとえ。

[使用例] そのおもなる原因は、ひっきょうそういう天災がきわめてまれにしか起こらないで、ちょうど人間が前車のてんぷくを忘れたころにそろそろ後車を引き出すようになるからであろう[寺田寅彦*天災と国防|1934]

[由来] 中国で昔から使われていることわざ。たとえば、「漢書伝」に載せられている、紀元前二世紀の文人、賈誼の文章では、短期間しか続かなかったしん王朝の失敗からも学ぶことがある、ということを述べるために、「前車の覆るは、後車のいましめ(前を走る車がひっくりかえるのは、後から行く車にとって戒めとなる)」と引用されています。同様の表現は、「大戴礼記」や、「呉越春秋こうせん帰国外伝」などにも見られます。

〔異形〕前車のふくてつ

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ことわざを知る辞典 「前車の覆るは後車の戒め」の解説

前車の覆るは後車の戒め

前の車がひっくりかえるのは、後から行く車にとって戒めとなる。前人の失敗は後人の戒めとなるというたとえ。

[解説] 「漢書―賈誼伝」にあることば。

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